ホタル百科事典/ホタルに関する質問
源氏蛍の命名は源氏物語の光源氏よりと記憶していますが間違いないでしょうか。
「螢」という字はすでに平安時代に使われており、720年の日本書記の名かに螢という字がでてきます。また、「ほたる」という言葉の語源は、「火垂れる」に由来しているという説があります。江戸時代の「大和草子」にも記述があります。しかし、他にも説があり、本当のところはよくわかっていないのが実状です。
ホタル、源氏螢と平家螢の名前の由来には、幾つかの説がありますが、どれも定かではありません。
文献では、1856年に出版された「虫譜図説」に初めて源氏蛍と記されたようです。
また、1906年に出版された「日本千虫図説第三巻」には源氏蛍(おおほたる)、平家蛍(ひめほたる)と記されています。
源氏物語の光源氏からという説もありますが、源平合戦の「源氏」と「平家」からの由来であるとも言われています。
かつて平安京があった京都の宇治市には、このような言い伝えがあります。ここのホタルは、源頼政の霊であるというものです。平家との戦いに破れ、志半ばにして宇治平等院にて討ち死にした源頼政の魂が、成仏できずに現世にホタルとなってさまよっているのかも知れません。
歴史的背景から庶民の間で、体が大きい方を「源氏」、相対する方を「平家」と通称で呼んでいたものが広く定着していったものと考えられます。
また、日本国内では、各地の方言で様々なホタルの呼び名があるようです。ゲンジボタルでは、ヤマブシ、ウシボタル、オオボタル、イッスンボタル、クマボタル、ヤマボタル、コムソウボタル、オニボタル、オヤマ(メスのみ)、ヘイケボタルでは、コメボタル、ヌカボタルなどと呼ぶ地域があるようです。
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