ホタル百科事典/ホタルの種類と形態1-3.
日本に生息するホタルの内、ゲンジボタル、そしてヘイケボタルの体のつくり(形態)をご覧いただきます。
図.ゲンジボタル
各部名称/ 1.触角 2.前肢 3.前胸背板 4.中肢 5.上翅(鞘翅) 6.後肢 7.複眼 8.発光器
写真.ゲンジボタル
ホタルは、夜行性から昼行性のものまで種によって様々ですが、夜行性の種は主として光シグナルによっても昼行性のものは、主として性フェロモンによって雌雄のコミュニケーションをはかっていることが、明らかになっています。ホタルのコミュニケーションシステムは、形態によく反映されています。ゲンジボタルは、ご存じのように夜行性で光シグナルによってコミュニケーションをはかっており、そのために光りシグナルを感受するように複眼が非常に発達しています。一方昼行性の種では、匂いシグナルを感受するように触覚が長く大きく発達しています。
写真.発光器の違い
オスは2節、メスは1節が発光する
写真.頭部の写真
写真.頭部の拡大写真
図.前肢と下翅
各部名称/1.基節 2.転節 3.腿節 4.脛節 5.ふ節 6.胞嚢 7.爪 C.前縁脈 SC1.第一亜前縁脈 SC2.第二亜前縁脈 R+MA.径脈・前中脈 M1.第一中脈 M2.第二中脈 CU1a.第一a肘脈 CU1b.第一b肘脈 A1.第一臀脈
前胸部の赤斑の色や形に変異が認められます。これらは、個体ごとにも若干の違いはありますが、全国の生息地ごとに大きな変化が見られます。青森県や秋田県では、無紋のホタル(メス)が見られます。紋の変異は以下の6つに分けられます。
また更に、雌雄によってもその違いが認められます。九州地方のメスのホタルは、色がだいだい色に近く十字紋が細くかなり消失しているものが多いです。東京あきる野のホタルは、雌雄ともに前胸部は鮮やかなローズピンクで十字紋が太く明瞭です。これ以外にも体長にも地域特性が見られます。宮城県金成町では全体的に小さく、一方山口県のものはかなり大きい個体が多く生息しています。
これら前胸部の赤斑の変異や体長の違いと地域特性は、構造線によって分化した6つの遺伝的な変異(ハプロタイプグループ)と考えられます。
図.ゲンジボタルの前胸部模様
青森県十和田町産のゲンジボタル 秋田県産のゲンジボタル(メス)
図.ゲンジボタルの幼虫
各部名称/1.大顎 2.複眼 3.前脚 4.中脚 5.後脚 6.触角 7.頭部 8.前胸部 9.鰓 10.発光器 11.尾脚
幼虫は腹部側方に肉質の気管鰓を備え、先端は二股になっています。一方は鰓として水中の溶存酸素を吸収し、他方は気門となっていて渇水時や上陸したときに働くようになっています。
幼虫は前胸部の模様が変化します。これは、地域や個体に関係なくすべてが同一に変化します。
孵化したばかりの1齢幼虫は、前胸部の模様が図のように2つに分かれていますが、2齢以降はそれがつながり、終齢まで同じ模様です。
(1978.Furukawa.)
図.ゲンジボタルの幼虫の前胸部模様図
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