カラスシジミ(Strymonidia w-album)は、一様に黒褐色の翅表で、翅裏も褐色。文字通りカラスのように全体が黒っぽいシジミチョウ科のチョウ。ミドリシジミ亜科(Theclinae)のカラスシジミ族(Eumaeini)であり、ミドリシジミ族(Theclini)いわゆるゼフィルスではない。たいへん地味ではあるが、前後翅裏の細い白色帯と後翅肛角にある朱色の斑紋、先端が白い非常に短い尾状突起がポイントになっている。
同じカラスシジミ属であるミヤマカラスシジミ (ミヤマカラスシジミ(富士)にも掲載)の食樹は「クロウメモドキ」であるが、カラスシジミの食樹は標高の高い山地などの冷涼な地に多いニレ科の「ハルニレ」等であり、必然的に分布域は限られる。移動性は低く食樹をほとんど離れることはない。日中は、下草に止まっていることが多く、夕方になると活発に活動し、ヒヨドリバナ等の花によく集まり吸蜜している。
環境省のRDBに記載はないが、多くの都県において絶滅危惧Ⅱ類、もしくは準絶滅危惧種に選定している。
参照:日本のレッドデータ検索システム
カラスシジミは、上高地にて偶然見つけた初見初撮影の種で、当ブログのリスト「鱗翅目」で129種類目である。
カラスシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/100秒 ISO 3200 +1 2/3EV(撮影地:長野県松本市安曇 2015.7.19)
カラスシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/100秒 ISO 3200 +1 2/3EV(撮影地:長野県松本市安曇 2015.7.19)
以下に、同属のミヤマカラスシジミを比較のために掲載する。
ミヤマカラスシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 2500 (撮影地:山梨県北杜市 2011.7.16)
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