ウラミスジシジミ(Wagimo signatis)は、シジミチョウ科ウラミスジシジミ属(Wagimo属)のゼフィルスで、翅裏は赤地で3本の白い筋があることが和名の由来になっている。アカシジミやウラナミアカシジミ等は、翅表の色も翅裏と同じようなオレンジ色であるが、ウラミスジシジミの翅表は、ウラゴマダラシジミや他種であるムラサキシジミのように青い鱗分がのっている。
クヌギ、カシワ、ミズナラ、コナラ等を食樹としており、雑木林に生息するが、分布は局地的で個体数も少ない。東京都のRDBでは、絶滅危惧I類(CR+EN)に選定されている。
ウラミスジシジミは、昨年7月6日に福島県会津若松市で撮影し、ウラミスジシジミ(初撮影)として掲載しているが、証拠程度の1カットのみであったため、本年、撮り直しを計画していた。昨今、東京都八王子市内の生息地を訪れたが見つからず、天候やその他予定から一度きりの探訪となってしまったが、今年6月20日に見つけた会津若松市のカシワ林には生息しているに違いないという期待のもと、前記事で触れたように、富山から新潟経由で会津若松市に入ったのである。
朝、雨が止み、カシワ林の林縁にて探索していると、下草上をチラチラと飛ぶチョウが・・・。赤と青の翅色が交互に見える。ウラミスジシジミである。幾つかのカシワの木を長竿で叩くと、何頭ものウラミスジシジミが飛びだし、下草に降りてきた。思った通りである。この地は、ウラミスジシジミの多産地であった。
とりあえず撮影するが、これほどいるならば、開翅の写真も撮りたいと欲が出る。しかし、個体数が多くて的を絞るのに悩む。目移りしていると、飛び去ってしまったり、下草の中に潜り込んでしまい撮影不可能に。
天候も回復し、初夏の日差しが照りつけるようになった。他のゼフィルスの探索もしたが、撮影・観察済みの種類ばかりで、撮り直しをするほどでもない・・・そう思いながら、カシワ木の林縁を巡回していると、開翅しているウラミスジシジミを発見。近づけず角度も悪いため、開翅写真は証拠程度になってしまったが、初の開翅画像である。
雨後の晴れは、下草における開翅写真のチャンスだ。1頭の個体に絞ってじっと開翅を待っていれば、もっと特徴が分かる写真が撮れたと思うと、悔しい。
ウラミスジシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1000 +2/3EV(撮影地:福島県会津若松市 2015.6.29 7:32)
ウラミスジシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.5 1/320秒 ISO 400 +1EV(撮影地:福島県会津若松市 2015.6.29 7:35)
ウラミスジシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.5 1/500秒 ISO 200 +1EV(撮影地:福島県会津若松市 2015.6.29 8:14)
やりましたね!!
とてもキレイな個体ですね。
自分が探し当てたポイントでターゲット撮影☆
素晴らしいです(^^)
ウラミスジは、カシワへの依存度が高いのでしょうか。。。
カシワ林とのことでしたが、ウラジロは見られましたでしょうか?
ワタシも30日カシワ林へ行きましたが、探し方が悪かったのか会えたのはウラミスジとハヤシのみでした。
こんにちは。予想がピタリと当たりましたね。開翅が撮れて良かったですね。おめでとうございます。
多摩NTの住人様、こんばんは。
東京~富山~会津若松という遠征でしたが、最後に目標の1つを達成し、
気持ちよく帰ることができました。
昆虫の生態を理解し、その生息場所を見つける楽しさはありますが、
これも外れれば悲しいものです。
ともきりんさん、こんばんは。
とにかく、ウラミスジシジミは多くいてびっくりしました。
カシワが一番の好み?なのかも知れません。
ウラジロミドリシジミもいると思いますが、この地域は他の種類よりも10日ほど発生がおそいようなので、これからだと思います。
天候にもよりますが、長野の白馬か会津で開翅を狙いたいと思っております。
ゼフィルスは、まだまだこれからです。
7月下旬から8月にかけては、日光のアイノミドリシジミや静岡のキリシマミドリシジミの再挑戦です。
その他のチョウも含めて今月は、遠征続きの毎週末です。
こんばんは。
東京~富山~会津若松と随分長距離を遠征なさったのですね。ウラミスジシジミ、表と裏で色が違いがはっきりして
どちらも魅力ある色ですね。
開翅している所を撮影出来て綺麗な色を見せて頂いて
嬉しいです。
しばらく梅雨の時期なので週末が雨になってしまうことも
多く、悔しい思いをなさるかもしれませんね。
梅雨明けに色々な所にいらして珍しいシジミ類をお撮りになって
見せて下さるのを楽しみにしています。
granma様、こんばんは。
梅雨の時期は悩まされますが、仕方がありません。
天気予報と日本地図を見比べながら、臨機応変で挑戦していきたいと思います。
この週末は、美しいチョウを撮る事ができました。