メスグロヒョウモン(Damora sagana)は、タテハチョウ科メスグロヒョウモン属(Damora属)に分類されるチョウで、オスは黄色地に黒い斑点の典型的なヒョウモンチョウの翅色をしているが、メスは、和名通り黒く光沢のある青緑色を帯びた翅色をしている。ヒョウモンチョウ類の中で、雌雄の色が異なっているのは、本種だけである。
メスグロヒョウモンは、初見初撮影の種で、当ブログのリスト「鱗翅目」で127種類目となる。
6月20日は、急遽、ホタルの講演会の依頼があり、講師として宮城県仙台市を訪れた。
講演会は、14時からのため、折角、東北に行くのだからと、前日の金曜日の夜に自宅を出発し、まずは福島県会津若松市へ向かった。昨年、磐梯山麓のゼフィルスとして紹介したように、磐梯山麓はゼフィルスの宝庫である。幾つかの種の撮り直しが目的である。
出発後、首都高速の事故渋滞(1時間の通行止め)にはまり、大幅に予定が遅れて現地着は20日の午前2時。2時間の仮眠後に探索開始。早朝からスッキリと晴れ渡り、梅雨であることを忘れさせる初夏の日差しと緑の山々が眩しい。この五月晴れを無駄にはしたくない。期待しながら、これまでウラクロシジミ、ウラミスジシジミ、エゾミドリシジミを撮影したポイントで3時間ほど探蝶するが、見つけたのはアカシジミとウラナミアカシジミだけ。もしかしたら、時期が早かったのか?
この場所を諦め新たなポイント探しに移動すると、昨年は探し出せなかった「カシワ林」を見つけた。カシワを食樹とするウラミスジシジミ、ウラジロミドリシジミがいるかも知れない!そう思いながら3時間あまり探蝶したが、見られたのはオオミドリシジミが数頭だけ。やはり、時期が早かったようだ。
会津若松を10時に出発し、途中、国見SAで喜多方ラーメンを食べ、仙台へ。14時から90分ほどの講演会は無事終わり、その後、仙台市内のゲンジボタルの生息現場を視察。環境保全とより良いゲンジボタルの生息環境づくりのためのアドバイスを行った。牛タン専門店で夕食を済ませた後、再びゲンジボタルの生息地を訪れ、飛翔状況を確認。発生後期ではあったが、30頭ほどのゲンジボタルのオスが優雅に小川上を光りながら飛ぶ様を観察し終了。
さて、どうするか?翌日の天気予報を確認すると、南東北も東京も雨マーク。残念だが、帰るしかない。21時に仙台を発ち、21日、午前1時半に帰宅した。
今回の走行距離は、およそ900km。メインは、ホタル講演会と保全指導であったが、私的には物足りない。不完全燃焼である。今回、新たに見つけた磐梯山麓のカシワ林には、今期、何が何でも再訪しようと思う。
メスグロヒョウモン(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F9.0 1/1000秒 ISO 1000 -1 1/3EV(撮影地:福島県会津若松市 2015.6.20)
こんにちは。900キロの長旅はお疲れ様でした。127種類目の撮影はおめでとうございます。単純な疑問ですが、名前のメスは雌の意味なんでしょうか。メスグロヒョウモンの雄もいるんでしょうか。
多摩NTの住人様、こんばんは。
コメントありがとうございます。
昆虫の和名は単純で、雌が黒い色をしたヒョウモンチョウなので「メスグロヒョウモン」といいます。
雄は、黄色地に黒い模様の豹柄という典型的なヒョウモンチョウの翅色をしていますが、勿論、名前は「メスグロヒョウモン」です。
シジミチョウ類は、オスとメスの翅色が全く異なっている場合がほとんどですが、ヒョウモンチョウ類でオスとメスの翅色が全く異なっているのは、本種だけです。