例年のように、一年を振り返って自己満足ベスト10を選んでみた。前編は昆虫、後編は風景をまとめた。
今年の昆虫写真も、昨年同様に「ゼフィルス」「絶滅危惧種」「未撮影種」をテーマに掲げ、信州を中心に出かけ、その姿を追った。今年の愛車の走行距離は、両車合わせて18,910km。昨年ほどではないが、多くの未撮影種に出会い、計画の90%は達成した。しかしながら、7月後半から8月にかけての天候不順により、出会いすら叶わなかった種や、証拠程度の単なるスナップ写真で終わった種もあり、来年への持ち越しである。
今年の1位は、、昨年から様々な地域を探索するが見つからず、今年9ヶ所目にしてようやく見つけることができた「アサマシジミ」(絶滅危惧ⅠB類)を選んだ。また、普通種ではあるが、飛翔の様子を美しく捉えることができた「ルリボシヤンマ」、産卵シーンという生態を記録できた「ムカシトンボ」の写真は、自己満足ではあるが評価したい。
今年も撮影していて思ったのが、採集者の心ない乱獲と自然環境の悪化である。特に、採集者には一言行っておきたい。「あなた方採集者の行為、理論、考え方、言い分は、すべて間違っている!」
絶滅が危惧される動植物が記載されている環境省のレッド・データブックは、捕獲規制等の直接的な法的効果を伴うものではなく、社会への警鐘として広く社会に情報を提供することが目的となっているが、今後は、法的効力のあるものにしなければならないと思う。
来年も「ゼフィルス」「絶滅危惧種」「未撮影種」を中心に、また既に撮影した種についても証拠程度のものは、撮影技術を向上させ、さらなる美しい図鑑的、生態写真を目指したい。
4月から9月までの週末は、すべて昆虫撮影のスケジュールで一杯である。それぞれの昆虫の生態と生息環境を学び、1種でも多く紹介するととも、ホタル同様に絶滅危惧種の保全活動にも参加していきたいと思う。
アサマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F6.3 1/200秒 ISO 200(撮影地:山梨県 2014.7.21)
ルリボシヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F4.0 1/500秒 ISO 800 +2/3EV(撮影地:東京都あきる野市 2014.9.15)
ムカシトンボ(産卵)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F5.6 1/80秒 ISO 3200(撮影地:東京都あきる野市 2014.5.17 10:20)
フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F8.0 1/1600秒 ISO 6400(撮影地:東京都八王子市 2014.6.1 5:56)
ウラジロミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO 640(撮影地:長野県北安曇郡白馬村 2014.7.20 5:23)
ウラキンシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.5 1/250秒 ISO 200 -2/3EV ストロボ使用(撮影地:岐阜県高山市 2014.8.3)
オオゴマシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 3200(撮影地:岐阜県高山市 2014.8.3)
ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 250 9:34(撮影地:長野県松本市 2014.8.23)
オオトラフトンボ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 3200 +1/3EV(撮影地:群馬県片品村 2014.7.26)
ミヤマモンキチョウ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 250 +2/3EV トリミング(撮影地:長野県東御市池の平湿原 2014.7.12)
こんばんは。
どの昆虫のお写真も自己ベストと書いていらっしゃるので
素晴らしいですね。
あちこち探されてやっと見つけられたアサマシジミ、
開翅しているのを撮影された時は嬉しかったでしょうね。
ルリボシヤンマの飛翔している様子をきっちりピントがあって
いて、とても印象に残ったお写真でした。
ほとんどの昆虫のお写真見せて頂いたのを覚えているのですが
「フジミドリシジミ」見落としていたかもしれません。
翅が美しい水色をしているのですね。
美しい自然の風景が住宅化などで壊されていくのと同じように
絶滅危惧種の昆虫や植物が心無い人達に自己満足のために
採集されるのは本当に悲しいことですね。
法的に規制されて少しでも乱開発、乱獲から免れることを
心待ちにしています。
昆虫類にあまり興味がなかったのですがホタルさんのブログで
珍しい昆虫を美しく撮られていらっしゃるので毎回楽しみにしています。
来年も沢山見せて下さると嬉しいです。
granma様、コメントありがとうございます。
今年も、多くの昆虫に出会い、カメラを向けてきました。それぞれチョウやトンボを的確に撮ることができたものは少ないのですが、写真と文章から、少しでも興味を持って頂けたのならば、たいへん嬉しく思います。
来年も、懲りずに各地に出かけてきたいと思っております。春が待ち遠しいです。