ノシメトンボ(Sympetrum infuscatum)は、トンボ科アカネ属で、丘陵地や低山地の水生植物の多い池や水田などで最も普通に見られる種類である。オスは、秋になると赤く色づくが、メスは赤くならず、黒と黄の縞が着物の「のしめ」模様を思わせることから和名がついている。
10月4日、11日とカトリヤンマの生息調査に千葉県袖ヶ浦市の谷戸を訪れたが、稲刈りの終わった水田には、マユタテアカネとノシメトンボの大軍が、あちらこちらで産卵を行っていた。
マユタテアカネの産卵は、9月に東京都内において観察しているが、今回も比較対象として撮影し掲載した。マユタテアカネの産卵は、雌雄が連結したまま、ごく浅い水や泥の中に、打ち込むようにして産卵していく連結打水産卵または連結打泥産卵であるが、一方、ノシメトンボは、日当たりが良く、底が露出し水が全くなくなっている場所で連結打空産卵をする。水や泥の中に、腹部を打ち込むのではなく、雌雄が連結したまま、波打つように飛びながら空中で卵を放出するのである。その決定的瞬間を写真に収めることはできなかったが、写真2と3のメスの腹部先端に卵が付いているのが分かる。
ちなみに連結打空産卵をするアカネ属は、他にナツアカネ、リスアカネ、ナニワトンボがいる。
ノシメトンボ (連結打空産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F4.0 1/800秒 ISO 200 +1(撮影地:千葉県袖ヶ浦市 2014.10.11)
ノシメトンボ (連結打空産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F4.0 1/500秒 ISO 320 +1(撮影地:千葉県袖ヶ浦市 2014.10.11)
ノシメトンボ (連結打空産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F4.0 1/500秒 ISO 320 +1(撮影地:千葉県袖ヶ浦市 2014.10.11)
ノシメトンボ (連結打空産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F4.0 1/500秒 ISO 320 +1(撮影地:千葉県袖ヶ浦市 2014.10.11)
マユタテアカネ (連結産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 500 +1/3(撮影地:千葉県袖ヶ浦市 2014.10.4)
マユタテアカネ (連結産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F4.0 1/400秒 ISO 200(撮影地:千葉県袖ヶ浦市 2014.10.4)
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