ゴマシジミの発生はそろそろ終盤なのだが、先週、先々週の悪天候が悔しくてたまらず、三週連続三回目となるゴマシジミの撮影に向かった。
28日(金)22時に自宅を出発し、現地に翌29日(土)午前1時到着。天気は、雨。予報では午前中に晴れマークが出ているので、祈りながら車中泊。朝4時半起床。天気は、雨。ただし、所々に晴れ間が見えるので、とりあえず生息地へ向かう。カメラをセットしていると、何と豪雨。一時間ほど車中で待機していると、ようやく雨雲が抜け、晴れ間が広がってきた。
草むらに目をやると、すぐにゴマシジミは見つかった。今回の狙いは、翅表を撮ることである。「開けゴマ!」と念じながらカメラを向けるが、なかなか翅を開いてくれない。何頭も追いかけていると、ワレモコウの蕾に産卵する様子を観察し撮影することができた。
さて、草むらに朝日が当たり始めると、葉上のゴマシジミが翅を開き始めた。ゴマシジミは、地理的ならびに個体的な変異が著しく、日本産シジミチョウ科の中でも最も変化に富むチョウの1種で、翅表は黒縁、黒斑を有する青藍色から全面暗褐色のものまで変異が大きいと言われている。この生息地のゴマシジミは、青い鱗粉がのった青いタイプ(通称:青ゴマ)と青い鱗粉がほとんどない暗褐色タイプ(通称:黒ゴマ)、またその中間のタイプも見られる。雌雄による翅色の違いは、地域差や個体差があり明確ではない。
先週と先々週は、青い翅表の個体が多く飛んでいた(飛んでいる時に、肉眼で翅表の色を確認した)が、発生も終盤になると暗褐色タイプばかりが目立つ。この暗褐色タイプは、ワレモコウに止まるとすぐに翅を開いたが、目標は、美しい「青ゴマ」だ。
時間が経ち、気温が上がってくると、ゴマシジミは盛んに飛びまわって、止まらない。時折、花に止まって吸蜜するが、翅は絶対に開かない。ひたすら追いかけて、ようやく青系統の開翅を撮ったが、残念ながら青色の美しいタイプではなく、中間型、しかも翅が擦れて鱗粉もかなり落ちていた。13時まで粘り、最後に、羽化したばかりのようなたいへん美しい「青ゴマ」に出会いカメラを向けたが、翅は頑なに閉じたままであった。
久しぶりに日焼けした週末。24日(日)は、「日本ホタルの会」の理事会のため、観察と撮影はお休み。来年は、「ゴマシジミ(開翅)」というタイトルが付けられるような写真を撮りたい。
ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 500 6:53(撮影地:長野県松本市 2014.8.23)
ゴマシジミ(産卵)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 320 11:21(撮影地:長野県松本市 2014.8.23)
ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 400 11:22(撮影地:長野県松本市 2014.8.23)
ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 320 11:21(撮影地:長野県松本市 2014.8.23)
ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 200 11:08(撮影地:長野県松本市 2014.8.23)
ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 400 11:00(撮影地:長野県松本市 2014.8.23)
ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 250 9:34(撮影地:長野県松本市 2014.8.23)
ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 250 9:34(撮影地:長野県松本市 2014.8.23)
こんばんは。
ゴマシジミの撮影に何度も挑戦なさっているのに
目指している「青ゴマ」の開翅している美しい姿を
撮るのはとても難しいのですね。
4枚目のゴマシジミの前翅は渋い黄金色に少し青い色が
入っていて綺麗です。
来年になってしまうと書いていらっしゃいますが
美しい「青ゴマ」の開翅が撮れると良いですね。
こんにちは。
開翅が撮れて良かったですね。
狙ったものではなかったのは残念ですが、それはまた次の楽しみですね。来年のタイトルが実現することを願っています。
granma様、こんばんは。
まだ間に合うかもしれないと、生息地まで行ってきましたが、天候にはやっと恵まれたものの、やはり時期が遅く、翅の擦れた個体ばかりで、ようやく見つけた「青色」の美しい個体は、まったく翅を開いてくれませんでした。
ゴマシジミの翅表の色は、地域差だけでなく、個体差もあり、青色の個体がまったくいない地域もあると言われています。
松本の地域は、美しい「青ゴマ」が多いと言われていますので、来年の8月には、必ず撮りたいと思っております。
多摩NTの住人様、こんばんは。
懲りずに3回も同じ場所に遠征してしまいましたが、先週、先々週の時に、悪天候でも昼くらいまでは粘っていれば、もしかしたら美しい個体が撮れたかもしれません。後悔ばかりですが、学んだことも多くありますので、また来年、地道に通いたいと思います。
9時半頃でしたか、放送で「クマが出たので注意してください!」と流れていました。
今回は、遭遇しませんでしたが、そういう場所です。