ナニワトンボ(Sympetrum gracile Oguma)は、アキアカネやナツアカネなどと同じトンボ科アカネ属で、いわゆる"赤とんぼ"の仲間であるが、オスは成熟しても赤くならずシオカラトンボのように青灰色の粉を吹く、言わば"青い赤とんぼ"である。生息地は、大阪と兵庫を中心とした瀬戸内地方のみであるが、分布は局地的で、環境省カテゴリでは絶滅危惧Ⅱ類に、自治体においても分布域のほとんどで絶滅危惧Ⅰ類もしくは絶滅危惧Ⅱ類に選定している。和名の"ナニワ"は、本種の発見地が大阪であったことによる。
13日(金)21時に仕事から帰宅し、22時に出発。行く先は、兵庫県小野市だ。ナニワトンボを撮るためだけに片道600kmを走る。昨年、「京都へホタルの講演」の時に足を延ばして行ってみたが、無残な結果に終わっているので、一年待ってのリベンジである。途中、中央道駒ケ根SAで休憩したが、その後は一気に走り、山陽道の三木SAに午前4時着。2時間の休憩と給油をして生息地へと向かった。
ナニワトンボは、兵庫県では「ため池」を中心に見られる。兵庫県はため池の数が全国第一位で、大小4万以上の「ため池」がある。しかしながら、ナニワトンボが生息する「ため池」は多くない。
- 樹林が隣接していること
- 秋に水が落とされて水際が大きく後退し、樹林の際から水際まで露出した池岸ができること
等が生息の必須条件になっている。このような「ため池」は、丘陵地の雑木林の谷戸に存在し、ナニワトンボが生息する「ため池」においても、開けた池の部分ではなく、谷戸の上部から水が流れ込む池畔の樹林の陰や樹林の縁で、枝先や倒木などに止まっていることが多い。
「ため池」が多いからだろう、湿度がとても高い。気温30℃の中、吹き出し続ける汗をぬぐいながら、1.5kmの山道を歩いて「ため池」に到着。ノシメトンボが飛んでいる中に小さな青いトンボがすぐに目に入った。ナニワトンボにようやく出会えた。ちょっと飛んでは、木の枝の先に止まる。この「ため池」には3頭のナニワトンボのオスが、それぞれ縄張りを見張っていた。長靴を忘れたため近づくことができず、岸から距離があったため、トキナー300mmに2倍のテレプラスを付けて600mmで撮影した。
12時に駐車場に戻り、10kmほど離れた別の池を下見して、今回はこのまま帰ることにした。帰路は、名神から新東名を経由して圏央道の愛川ICから自宅を目指し、20時に帰宅。走行距離は、1,995kmであった。
ナニワトンボは、初見初撮影の種で、当ブログのリスト「蜻蛉目」で95種目となる。未撮影のアカネ属はあと3種類になるが、その内1種を求めて、来月に、もう一度、兵庫県に行きたいと思う。
ナニワトンボ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F8.0 1/200秒 ISO 3200 -2/3EV(撮影地:兵庫県小野市 2013.09.14)
ナニワトンボ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 3200(撮影地:兵庫県小野市 2013.09.14)
ナニワトンボ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200 -2/3EV(撮影地:兵庫県小野市 2013.09.14)
ナニワトンボ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200 -2/3EV(撮影地:兵庫県小野市 2013.09.14)
ナニワトンボ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F8.0 320秒 ISO 3200 -2/3EV(撮影地:兵庫県小野市 2013.09.14)
超長距離遠征、お疲れ様でした。
台風が接近しているため、どうされたかと思っていましたが、
行かれたんですね。
そして、ナニワトンボ、ゲットおめでとうございます!
土地勘の薄い地区で見つけるとは、さすがです。
シオカラトンボやコフキトンボ等とはまた違ったブルーですね。
爽やかな色をしています。
これが赤とんぼとは、ショッキングです(笑)
気軽に行けない距離ですが、いずれは私も見たいなぁ。
兵庫までですか、すごいですね。ナニワトンボは、見たことないです。
うっすさん、こんばんは。
三連休の初日だけ晴れ。このチャンスを逃さず予定通りに行ってきました。
片道600km、北の方で例えれば盛岡くらいになります。
それなりに気合いが必要でしたが、昨年にロケハンをしていて、事前準備も十分に行ったので、ナニワトンボに会うことができました。
兵庫は、関東近辺では見ることのできない自然環境があります。
来月は、違うトンボ(絶滅危惧Ⅰ類)を探しに、また兵庫県まで行ってきます。
Udagawa氏、こんばんは。
折爪までに匹敵する距離ですが、兵庫まで行かなければ見ることができないので、行ってきました。さすがに三連休でないと、体力的にきついですけど・・・。
こんばんは。
ナニワトンボを求めて兵庫までいらして、初見初撮影出来て
本当に良かったですね。
青い色が少し灰色がかって独特の色合いですね。
アカトンボの種類とは説明がなかったら分かりませんでした。
撮影したいとお思いになったら遠距離でもお出かけになる
行動力は素晴らしいです。
珍しいトンボを見せて下さってありがとうございます。
granma様、こんばんは。
今年は、しっかりと事前準備をしたので、1,200kmが無駄になりませんでした。
ナニワトンボは、最初に訪れた池で見つけましたが、その周囲の池、八か所にはまったくいませんでした。ちょっとした環境の違いで生息できないのです。
「青い赤とんぼ」のナニワトンボ。遠い地ですが、絶滅しないことを祈るばかりです。