ヤマキチョウ(Gonepteryx rhamni maxima)は、開張60mm前後とシロチョウ科の中ではやや大型の種である。近縁種のスジボソヤマキチョウに似ているが、形態では、前翅先端の突起が弱く、翅に赤系の縁取りがあることで区別できる。
ヤマキチョウは、8月頃に羽化し、そのまま成虫で越冬して翌年5月頃まで見ることができるが、分布は極めて狭く、青森県と岩手県、長野県と山梨県の一部地域にしか生息していない。(スジボソヤマキチョウは、紀伊半島を除く本州と四国の山地に生息。)これは、ヤマキチョウの生息環境が乾燥した明るい高草原地帯で、幼虫の食樹がクロツバラのみであることが所以であるが、環境悪化や採集等により、生息地においても数は減少傾向にある。環境省レッドリストでは絶滅危惧IB類に選定され、近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種とされている。
ようやく8月最後の目標であるヤマキチョウを撮ることができた。これまでに長野県の志賀高原、八千穂高原、霧ヶ峰、そして山梨県の富士山麓3カ所を探索したが、見つけることさえできなかった。目撃情報だけを頼りにした事が敗因だ。今回は、ヤマキチョウの食樹であるクロツバラの群生地と草原をポイントに地域を絞り込んだ。
現地に到着すると、日当たりの良い広大な草原の随所にクロツバラがあり、所々にアザミ等の花も咲いている。見晴らしの良い所で待機していると、黄色いチョウの飛ぶ姿が見えた。近くでチョロチョロするキタキチョウやモンキチョウとは大きさが違う。追いかけるとアザミの花に止まった。まさしくヤマキチョウである。時刻は10時。他にも5頭ほどのヤマキチョウが草原の上を飛んでいた。
来月は、夏眠明けのスジボソヤマキチョウを探索、撮影し、ヤマキチョウとの生態的相違について調べようと思う。
ヤマキチョウは、初見初撮影の種で、当ブログのリスト「鱗翅目」で107種類目となる。
ヤマキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 640 +1EV(撮影地:山梨県富士河口湖町 2013.08.27)
ヤマキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 500 +1EV(撮影地:山梨県富士河口湖町 2013.08.27)
ヤマキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 +1EV(撮影地:山梨県富士河口湖町 2013.08.27)
ヤマキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 200(撮影地:山梨県富士河口湖町 2013.08.27)
ヤマキチョウの生息環境
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 200 +2/3EV(撮影地:山梨県富士河口湖町 2013.08.27)
こんにちは、
ヤマキチョウ、初見初撮影だったのですね。
翅の縁に赤い細い線があるのがオシャレですね。
私の様にたまたま見つけてチョウを撮るのと違い
やはり意識して撮っていらっしゃるので
とてもピントが合って綺麗ですね。
アザミの花に止まっているので
大きさが大体想像できます。
私が見かけたスジボソヤマキチョウを撮影されるのを
楽しみにしています。
granma様、こんばんは。
ようやく、ヤマキチョウを撮る事ができました。花に止まるのを何度も追いかけて撮影しました。逆光ぎみにするとレモン色がとても綺麗で、また他のチョウとは違った顔つきも可愛いという感じでした。スジボソヤマキチョウは、今は夏眠中で、どこかに隠れてしまっているようなので、9月になったらがんばります。
こんにちは。
ヤマキチョウの初撮影、おめでとうございます。
着実に増えていますね。
ご努力の賜物で、宝ものになりますね。
「青富士」がとても綺麗です。
多摩NTの住人様、こんばんは。
ヤマキチョウは、富士の裾野の広大な草原にいました。チョウを探すには、植物(食草)を学ぶことも大切だと改めて思いました。クロツバラも減少しているようです。
こんばんは~。
念願のヤマキチョウ、見事ゲットですね!
おめでとうございます。
自力の調査、執念の賜物ですね。
この可憐な姿は、私も見てみたいです。
うっすさん、こんばんは。
何でも最初は手ごわいなと思うのですが、事前に生態や生息環境等をしっかりと勉強することが、まずは大切だと思いました。あとは執念でしょうか。
次は、同属のスジボソヤマキチョウを狙います。