ゼフィルス(Zephyrus)は、ギリシャ神話の西風の神ゼピュロス(Zephyros)が語源となっている樹上性のシジミチョウの一群(ミドリシジミ族)の呼称である。種類によっては「飛ぶ宝石」と言われるほど美しいが、生息地は限られ、発生期間も短く、その美しさを撮ることはたいへん難しい。生息地に何度も通い、十分なロケハンとゼフィルスの生態を理解することが基本だが、その年の気象条件や天候にも左右される。その美しさと撮影難易度の高さが大きな魅力で、今年も、昨年に引き続き、その姿を追い求めた。残念ながら、計画していながら出会うことさえ叶わなかった種類もいるが、今年は3種類を撮り直し、新たに4種類の初撮影で、これまでに18種類のゼフィルスを写真に撮ることができた。来年は、撮影済みの種類は、より美しく撮ること(理念である極上の図鑑写真、生態写真、芸術写真であること)、そしてまだ未撮影の7種類については、4種類を撮影することが目標である。
今月、1種類の撮り直し予定があるが、以下に、これまで撮影したミドリシジミ族(ゼフィルス)の分類と写真をまとめてみた。
ミドリシジミ族(Theclini)
ウラキンシジミ属(Ussuriana)
- ウラキンシジミ(Ussuriana stygiana)
ウラゴマダラシジミ属(Artopoetes)
- ウラゴマダラシジミ(Artopoetes pryeri)
チョウセンアカシジミ属(Coreana)
- チョウセンアカシジミ(Coreana raphaelis)
ムモンアカシジミ属(Shirozua)
- ムモンアカシジミ(Shirozua jonasi)
オナガシジミ属(Araragi)
- オナガシジミ(Araragi enthea)
- ウスイロオナガシジミ(Antigius butleri)
ミズイロオナガシジミ属(Antigius )
- ミズイロオナガシジミ(Antigius attilia attilia)
アカシジミ属(Japonica)
ウラミスジシジミ属(Wagimo)
- ウラミスジシジミ(Wagimo signatis)
ウラクロシジミ属(Iratsume)
- ウラクロシジミ(Iratsume orsedice)
ミドリシジミ属(Neozephyrus)
- ミドリシジミ(Neozephyrus japonicus japonicus)
メスアカミドリシジミ属(Chrysozephyrus)
- ヒサマツミドリシジミ(Chrysozephyrus hisamatsusanus)
- アイノミドリシジミ(Chrysozephyrus brillantinus brillantinus)
- メスアカミドリシジミ(Chrisozephyrus smaragdinus smaragdinus)
キリシマミドリシジミ属(Thermozephyrus)
- キリシマミドリシジミ(Thermozephyrus ataxus)
オオミドリシジミ属(Favonius Sibatani & Ito, 1942)
- ウラジロミドリシジミ(Favonius saphirinus)
- クロミドリシジミ(Favonius yuasai)
- オオミドリシジミ(Favonius orientalis orientalis)
- ジョウザンミドリシジミ(Favonius taxila taxila)
- ハヤシミドリシジミ(Favonius ultramarinus ultramarinus)
- ヒロオビミドリシジミ(Favonius latifasciatus)
- エゾミドリシジミ(Favonius jezoensis jezoensis)
フジミドリシジミ属(Sibataniozephyrus Inomata, 1986)
- フジミドリシジミ(Sibataniozephyrus fujisanus fujisanus)
撮影したゼフィルス
ウラゴマダラシジミ
チョウセンアカシジミ
ムモンアカシジミ
オナガシジミ
ウスイロオナガシジミ
ミズイロオナガシジミ
アカシジミ
ウラナミアカシジミ
ウラクロシジミ
ミドリシジミ
アイノミドリシジミ
メスアカミドリシジミ
キリシマミドリシジミ
クロミドリシジミ
オオミドリシジミ
ジョウザンミドリシジミ
ハヤシミドリシジミ
エゾミドリシジミ
こんにちは。
素晴らしい成果ですね。
未撮影の7種類もきっと達成できると思います。
私も「図鑑」「生態」「芸術」という視点で、ホタルさんのような写真を目指したいと思っています。
多摩NTの住人様、こんばんは。
撮影した18種でも、まだまだ満足できる写真はありませんが、とにかく「図鑑」「生態」「芸術」という視点でこれからも撮り続けたいと思います。多摩NTの住人様もがんばって楽しんでください。
こんにちは。
いつ見せて頂いても丁寧にトンボ、チョウ、もちろんホタルも
「図鑑」「生態」「芸術」の観点からブログに載せていらして
感心させられます。
まだ撮影していらっしゃらないチョウ等を求めて
あちこちお出かけになるのをかげながら(?)応援致します。
初撮影のトンボやチョウを楽しく拝見しています。
granma様、こんばんは。
夏は、昆虫の写真ばかりで恐縮なのですが、ただ虫を撮るのではなく、特徴がよく分かる美しい図鑑写真であること、生き様が分かる現場での生態写真であること、そして構図等にも気を配った芸術写真であること を理念(目標)に撮影したいと思っています。また、特に美しい種類や絶滅が危惧される種類を基本に、自然の大切さ、ホタルとの関わりも考えていきたいと思います。
今年は、あと何種類のトンボやチョウと出会えるのか。まだまだ自然の中へ飛び込んでいきます!