キリシマミドリシジミ(Thermozephyrus ataxus)は、シジミチョウ科ミドリシジミ族キリシマミドリシジミ属(Thermozephyrus属)で、関東では神奈川県、東海では静岡県に、近畿地方では鈴鹿山脈、そして四国・九州・屋久島に生息する暖帯・山地性ゼフィルスである。オスの翅表は、エメラルドグリーンでクリソゼフィルスを凌ぐ輝きをもっている。
先週に撮影したキリシマミドリシジミ(キリシマミドリシジミ(静岡)に掲載)は、昨年よりは上達したものの、撮影位置や太陽光の具合からキリシマミドリシジミらしい翅表の輝きが写せなかった。どうしても諦めきれず、再度、静岡県に向かった。
今回は、前回の場所から林道を登り、新たなポイントにて撮影を試みた。この場所でも、相変わらず食樹であるアカガシの梢を高速で飛びまわり、時折り、葉先に止まって翅を開いている。その位置も高く、距離は15mほどだが、このポイントは順光で、キリシマミドリシジミの翅色がエメラルドグリーンの輝きを放っている。例によってトキナー300mmに2倍のテレコンを付けて(600mm)、マニュアルで慎重にピントを合わせてレリーズでシャッターを切った。(写真4~7)
その場所から更に林道を登った所にある鬱蒼とした照葉樹林の中の小さなギャップ。そこでは4頭のキリシマミドリシジミがアカガシの周りで卍飛翔を繰り返していた。残念ながら順光ではなく、トップライト。しかし、距離は5mほどで、時々、目の高さの葉先に止まるので、翅裏が主ではあるがマクロ的な写真を撮ることができた。(写真1~3) 600mm(35mm換算で960mm)レンズで、若干トリミングをしてもこの解像度ならば合格点ではないだろうか。
この日の天候は、曇り一時晴れで最後には雨が降ってきてしまうという不安定さ。キリシマミドリシジミは、晴れて日が当たらなければ、飛ばずに隠れてしまうので、ほとんどの時間を待機に費やし、撮影はわずかであった。時間をかけてじっくりと撮影できる天候ならば、もっと良いシャッター・チャンスがあるかもしれない。また来年、挑戦したいと思う。
キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/640秒 ISO 3200 -2/3EV トリミング(撮影地:静岡県駿東郡 2013.08.03 10:00)
キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/640秒 ISO 3200 トリミング(撮影地:静岡県駿東郡 2013.08.03 9:50)
キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/640秒 ISO 3200 -2/3EV トリミング(撮影地:静岡県駿東郡 2013.08.03 10:02)
キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/500秒 ISO 3200 トリミング(撮影地:静岡県駿東郡 2013.08.03 7:47)
キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/800秒 ISO 2000 トリミング(撮影地:静岡県駿東郡 2013.08.03 7:49)
キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/500秒 ISO 3200 トリミング(撮影地:静岡県駿東郡 2013.08.03 7:52)
キリシマミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/1000秒 ISO 2000 トリミング(撮影地:静岡県駿東郡 2013.08.03 8:04)
こんにちは、
再挑戦のキリシマミドリシジミ、完全に満足なさった訳では
ないのかもしれませんが
綺麗に輝く翅をお撮りになれたのですね。
青く輝く色あいがとても素敵ですね。
翅を広げた状態で3枚目のちらっと見える色が
大きく見られたら最高です。
高い所で飛ぶことが多くて撮影なさるのは大変そうですが
又来年挑戦なさって見せて下さるのを待っています。
granma様、こんばんは。
3枚目の写真の位置で、翅表が撮れれば、本当に最高です。何度も通って色々と学ぶことで、チャンスが巡ってくるかもしれません。そして、関東近郊では難しいと言われるキリシマミドリシジミの美しい姿を撮る事ができるような気がします。来年が楽しみです!