エゾミドリシジミ(Favonius jezoensis)は、シジミチョウ科ミドリシジミ族(通称ゼフィルス)で、オスの翅表が青緑に輝く一群であるオオミドリシジミ(Favonius)属に分類される。ブナ科のミズナラを主な食樹とし、形態もジョウザンミドリシジミと似ているが、本種の方が尾状突起が短く、また、オスの占有活動時間は午後14時頃から夕方であり、前種の午前7時~9時頃と大きく異なる。
エゾミドリシジミは、初見初撮影の種で、当ブログのリスト「鱗翅目」で103種類目、全25種類のゼフィルスでは18種類目となる。
山梨県、長野県で撮影できなかったアイノミドリシジミ。どこへ行けばまだ会えるか?そうだ、忘れていた。乗鞍高原と標高がほぼ同じ1,400mの奥日光だ!
20日午前3時に起床し、まずは静岡県沼津市へ!?昨年、証拠程度の写真しか撮れなかったキリシマミドリシジミを日光へ行く前に撮っておきたかったのだが、何と沼津は霧雨。1時間半待機したが、止む気配がないために撤収し、本命の日光へと向かった。
東名高速、首都高、東北自動車道、天気は曇りだったが、いろは坂を登りきると晴れ。奥日光は快晴だ。翌朝に活動するアイノミドリシジミを撮影するためのロケハンを12時から開始。2時間ほど歩きまわって、幾つかの撮影ポイントを決める。14時過ぎから、それらのポイントにもう一度行って見ると、そのすべての場所で、エゾミドリシジミの卍飛翔やテリトリーを見張る様子が見られた。ただし、どの場所も高い梢で、なかなか撮れない。手強い相手だ。(写真1)しかし、エゾミドリシジミの翅裏は、偶然に撮影することができた。林道を歩いていると、1頭のエゾミドリシジミがすぐ前の林道にヒラヒラと舞い降り、地面で吸水を始めたのだ。(写真2)このまま翅を開いてくれ!と祈ったが、すぐに飛んで行ってしまった。
写真3と4は、翌21日、帰る間際に撮影したエゾミドリシジミ。占有活動時間外の午前9時台にクマザサの上で吸水するオスを撮ったものだ。翅も少しだけ開いてくれた。青緑に輝くFavonius属特有の美しさである。最後にカメラのレンズを見上げて、その後、近くのミズナラの梢へと消えて行った。
20日は、17時に撮影終了。森のベンチでコンビニ弁当(夕食)を食べる。もう人も車も少ない。ちょっと寂しい・・・さて、やることがない。寝るしかない。星空が綺麗だ。明日のアイノミドリシジミを期待しながら、クーラーボックスでキンキンに冷えた缶ビール1本と白ワイン1本を飲み干し熟睡。
翌21日。午前5時起床。気温15℃。寒い。しかも空一面雲!雲!雲!アイノミドリシジミは、晴れなければダメなのに・・・何とかしてくれ!
エゾミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 2000 -1/3EV トリミング(撮影地:栃木県日光市 2013.07.20 15:48)
エゾミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 640(撮影地:栃木県日光市 2013.07.20 14:43)
エゾミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 250 -1/3EV(撮影地:栃木県日光市 2013.07.21 9:15)
エゾミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500(撮影地:栃木県日光市 2013.07.21 9:23)
こんにちは。
今回は、沼津に行ってから奥日光ですか。
全く逆方向なのにすごい行動力ですね。
さて翌日はどうなりましたかね。
こんばんは、
お目当ての「アイノミドリシジミ」を求めて
東奔西走ではなく「西奔東走」で乗鞍から奥日光へと
随分強行軍でいらしたのですね。
目的のチョウは見つけられなかったものの
「エゾミドリシジミ」を初見初撮影がお出来になって良かったですね。
でもなんだか最後の文脈からひょっとして探しあてられたように感じられますが
次回の記事を楽しみにしています。
ミドリシジミの種類は思っているより多いのですね。
多摩NTの住人様、こんばんは。
この時期は、行きたい所がたくさんあって、どこにするか決めるのが大変です。
行ける範囲なら、すべて行きたいくらいです。
ただし、どこに行ってもお天気には悩まされます。場所が山だけに天候が変わりやすく、なかなか思うようにはいきませんね。
granma様、こんばんは。
1,000m以上の山でなければ見られない時期ですので、先々週は乗鞍、先週は日光。関東近辺ですが、撮るために行ける範囲ならばどこへでも行くほど、私にとっては魅力的なチョウなんです。
悩むのが天候です。梅雨明けしても、山の天気はなかなか安定せず、それでダメになるのが一番悔しいです。