メスアカミドリシジミ(Chrysozephyrus smaragdinus)は、シジミチョウ科ミドリシジミ族(通称ゼフィルス)で、雄の翅表が金緑色に輝くメスアカミドリシジミ属(Chrysozephyrus)の一種である。メスアカミドリシジミは、ミドリシジミ族の中で唯一サクラ科を食樹とし、山地の渓流沿いで見られる。
メスアカミドリシジミは、東京都桧原村の秋川支流に多産地があるが、すでに時期が遅く、今回は先週のロケハンをもとに甲州市の山地を訪れた。渓流は、ほとんどの場所が木々で覆いつくされているが、何カ所か開けた場所がある。そのようなギャップ(空間)の木の葉先にメスアカミドリシジミは、テリトリーを見張るのだ。活動時刻は、午前10時頃~午後1時頃と言われており、ポイントに午前9時から待機した。
天候は曇りで気温が低かったが、10時半を過ぎると太陽が顔を出し、気温も上昇。すると、キラキラと光るチョウが飛びだした。狙った通りに目線より下の木の葉先に止まり開翅。その金緑色に輝く翅は、まさしくメスアカミドリシジミである。一度止まると、数十秒はじっとしているので落ち着いて撮影できる。ただし、およそ7m先の小さなチョウを撮影するには、細心の注意が必要だ。今回も、EOS 7D にTokina 300mm + Kenko TELEPLUS 2X を付けた600mm(35mm換算で960mm)で撮影。オート・フォーカスは効かず、手ぶれ補正もない。しかも超望遠の場合は、ほんの少しのブレも致命傷になるから三脚を使用。更には EOS 5D2 で自然風景写真を撮るかのように、ライブビューで拡大表示させてマニュアル・フォーカスでピントを合わせ、シャッターはレリーズで切った。掲載写真は、トリミングもしてあり高解像度とは言えない。また、光の当たり具合や見る角度によって翅色が微妙に変化するので、「これがメスアカミドリシジミである。」という翅色は表現できていないが、美しいチョウであることに違いはない。
メスアカミドリシジミは、初見初撮影の種で、当ブログのリスト「鱗翅目」で100種類目、全25種類のゼフィルスでは、16種類目となる。次週以降は、同属で更に美しい輝きと言われているゼフィルスの撮影に遠征だ!
メスアカミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/1000秒 ISO 3200(撮影地:山梨県甲州市 2013.06.30 10:47)
メスアカミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/800秒 ISO 3200(撮影地:山梨県甲州市 2013.06.30 10:50)
メスアカミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/640秒 ISO 3200(撮影地:山梨県甲州市 2013.06.30 10:50)
メスアカミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/1000秒 ISO 2500 トリミング(撮影地:山梨県甲州市 2013.06.30 11:39)
メスアカミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/800秒 ISO 2000 トリミング(撮影地:山梨県甲州市 2013.06.30 10:52)
メスアカミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/1000秒 ISO 1600 トリミング(撮影地:山梨県甲州市 2013.06.30 10:54)
メスアカミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/800秒 ISO 2500 トリミング(撮影地:山梨県甲州市 2013.06.30 10:58)
メスアカミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F10 1/800秒 ISO 3200 トリミング(撮影地:山梨県甲州市 2013.06.30 10:59)
こんばんは。
メスアカミドリシジミの初見初撮影、おめでとうございます。
ブログのリスト「鱗翅目」で100種類目でいらっしゃるとのこと
記念すべきチョウですね。
撮影機材を揃えられてきた成果も見事に達成されて
素晴らしいお写真になりましたね。
青緑に輝く色は言葉に表現するのに難しい程で
宝石にもない色のように感じられます。
「更に美しい輝きと言われているゼフィルス」のお写真を
見せて頂くのを楽しみにしています。
granma様、こんばんは。
メスアカミドリシジミは、その前に掲載したハヤシミドリシジミとは違った色合いで、
何とも言えない輝きですね。
granma様も行かれたことのある払沢の滝の渓流にも、メスアカミドリシジミが少なからず生息しているようですので、来年の6月下旬のお昼頃に行かれれば、葉の上に止まっているかもしれません。
こんにちは。
100種類目に到達! おめでとうございます。
すごい成果ですね。
その努力と探求心に脱帽です。
これからも楽しみにしています。
多摩NTの住人様、こんばんは。
多摩NTの住人様の植物図鑑に比べれば足元にも及ばないものです。
綺麗!珍しい!を中心に種数を増やしていきたいと思っておりますが、増えるごとに生態や生息環境を深く知り、自然の大切さをより一層感じております。
趣味ではありますが、単に写真を撮って掲載することが目標ではなく、自然の大切さを感じ、共感していただくことが目標です。