オオルリシジミ(Shijimiaeoides divinus)は、ルリシジミより二回りほど大きいシジミチョウだが、日本各地で絶滅し、現在の自然発生地は、長野県飯山市に一ヶ所(本州亜種)と熊本県阿蘇山系(九州亜種)という日本にたった2地区しかない極めて希少な種(環境省:絶滅危惧Ⅰ類)である。これは、生息環境となる草原などの喪失、幼虫の食草であるクララの減少、農薬散布や採集者による乱獲が原因と言われている。
長野県では、長野県希少野生動植物保護条例に基き、東御市と安曇野市において「オオルリシジミ保護回復事業」として飼育個体の野外導入により保護回復(増殖)活動が続けられている。(それでも、日本で四ヶ所でしか見ることができない。)
5月26日。オオルリシジミの保護回復活動がされている長野県安曇野市にある「国営アルプスあづみの公園」に行ってみた。広い自然公園の中の一角に多くのオオルリシジミが舞っていた。オオルリシジミを人工飼育し、春先に蛹を放ったものが羽化して食草であるクララの周囲を飛んでいるのである。監視員が巡回し、心ないコレクターの採集からは守られているが、残念ながら捕食性天敵や寄生蜂などの影響により、未だ定着は確認されていない。
当ブログのリスト「鱗翅目」で97種類目になる初見初撮影のオオルリシジミが、絶滅しないことを祈るばかりである。
オオルリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200(撮影地:長野県安曇野市 2013.05.26)
オオルリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 320(撮影地:長野県安曇野市 2013.05.26)
クララに産卵するオオルリシジミオオルリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 +1 1/3EV(撮影地:長野県安曇野市 2013.05.26)
オオルリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 +2/3EV(撮影地:長野県安曇野市 2013.05.26)
交尾するオオルリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 250 +2/3EV(撮影地:長野県安曇野市 2013.05.26)
オオルリシジミですか。
もちろん見たことはありませんが綺麗な色合いですね。
クララを食草にする蝶がいるんですね。
こんばんは~。
オオルリシジミ、貴重な姿を撮影できてよかったですね。
普通のルリシジミより二回り大きいのですか。
この目で見てみたいものです。
こんな貴重種が長野と熊本の離れた地にしか存在しないというのは不思議ですねぇ。
全国的にいたものが少しずつ絶滅していって、2箇所が残ったのか、
それとも別の進化を辿って、同じ種に行き着いたのか、
こう考えると、不思議でたまりません。
おはようございます。
昨夜遅くコメントを書いていたのに操作ミスで
消えてしまいました。
ミヤマカラスアゲハ、物おじしないで(?)人のそばに
寄ってくるのですね。
昆虫を愛している人と分かって捕獲されないと
わかっているのでしょうか?(笑)
サラサヤンマのホバリングをぴちっとピントを合わせて
撮られていてさすがホタルさんと思いました。
飛んでいるトンボやチョウを撮ろうと
挑戦するのですがとても難しいので綺麗に撮影していらして
感動してしまいます。
オオルリシジミ、シロツメグサに止まっているのを見ると
やはり、普通のシジミより大きいのが分かります。
初見初撮影でいらしたのですね。初めて見て撮影できる
というのはとても嬉しいことですよね。
私も初めて見つけた花にはつい独り言で「やった~」っと
はしたなく言ってしまいます。
多摩NTの住人様、こんばんは。
クララという名前は、根を噛むとクラクラするほど苦いことが由来であるとか。毒性も強いらしいですね。
草原に自生するクララが、かなり減少していて、そのためにオオルリシジミというチョウも絶滅しかけています。
何とか、復活してほしいものです。
うっすさん、こんばんは。
昆虫の種の分化は、地質構造線とも関わりがあり、調べてみると面白いことがわかります。
元々は同じ種でも、日本列島の形が変化する時に分かれ、それぞれが亜種として分化していったのだと思います。
それにしても、オオルリシジミは、全国で四ヶ所でしか見られないということは、大変な事態です。
granma様、こんばんは。
サラサヤンマは、短い時間ですが、空中で静止してくれる種類なので、比較的撮りやすいのですが、それでもピントが合った写真は、100枚中、1~2枚くらいしかありません。
今年は、できるだけ今までに撮ったことがない昆虫を撮ろうと思っています。
「つい独り言で「やった~」っとはしたなく言ってしまいます・・・。 」
私は、それだけでなく、「じっとしていて!」「よし、綺麗だ!」などど叫んでいます。