ギフチョウ(Luehdorfia japonica)は、アゲハチョウ科のチョウで、「春の女神」と言われているが、昨今の里山の放棄、開発、採集、乱獲などにより生息地や個体数の減少が著しく、環境省カテゴリーでは絶滅危惧II類にランクされている種である。
2010年4月の神奈川県での撮影以来3年ぶりの今年、神奈川県では満足する写真が撮れなかったため、何とかギフチョウらしい写真を撮るべく4月29日に長野県の白馬村に向かったが撮影できず、そこで今回、発生最盛期を迎えている新潟県十日町市でその姿を追った。
ギフチョウは、新潟県では準絶滅危惧にランクされているが、訪れた十日町市の里山では、比較的多くの個体を見ることができ、5月上旬まで残雪があるので5月中旬にようやく最盛期になる。調査研究によれば、1シーズンに3ケタの数のギフチョウが羽化していると言われている。里山は保全地域であり、入るには許可を得て許可証を下げなければならないので、採集者からも守られているのだろう。実際に、気温が24℃まで上がったこの日は、たいへん多くのギフチョウを確認できた。ただし、新緑の雑木林の中を飛び回ることが多く、なかなか止まってくれない。よく見れば、咲いている花がとても少ないのだ。期待したカタクリでの吸蜜は、カタクリそのものが数株しかなく、またギフチョウの飛翔範囲外にあるため訪れることはなかった。時折り、オオイワカガミとショウジョウバカマで吸蜜を行うが、短時間で飛び立ってしまい、思うように撮影できずにいたが、2時間半ねばってようやく撮ることができた。来年は、白馬村においてカタクリでの吸蜜写真を撮りたいと思う。
1.特徴が分かる美しい図鑑写真であること。
3.次に、生態写真であること。
4.そして、芸術的作品であること。
この撮影目標を達成するまでは、追い続けたいと思う。
ギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 200(撮影地:新潟県十日町市 2013.05.18)
ギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 500(撮影地:新潟県十日町市 2013.05.18)
ギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 640(撮影地:新潟県十日町市 2013.05.18)
ギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 800(撮影地:新潟県十日町市 2013.05.18)
ギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 800(撮影地:新潟県十日町市 2013.05.18)
ギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 500(撮影地:新潟県十日町市 2013.05.18)
こんにちは。
いらした時期に里山の保全地区にカタクリの花は
もう終わってしまっていたのでしょうか?
ギフチョウの飛ぶ範囲は限られていてその中では
カタクリが咲いていないということなのでしょうか?
カタクリが咲き残っている場所にはギフチョウが飛んで行かない
のでしょうか?
カタクリの花を吸蜜する時は他の花に比べてゆっくりで
写真を撮りやすいのでしょうか?
オオイワカガミでは短時間しか止まっていないと
書かれていらっしゃいますが、その短い時間をとらえて
とても良い写真を撮っていらっしゃいますね。
granma様、こんばんは。
十日町の里山では、カタクリは丁度時期で綺麗に咲いていたのですが、里山全体に分布しているわけではなく、林道脇のたった一角で10数株だけでした。雑木林は保全されていても、下草刈りなどはされていないため、カタクリの生育には適していないのでしょう。ギフチョウは、カタクリの場所から更に山を登った峠や尾根付近にいて、カタクリの場所には降りてきませんでした。
ギフチョウがカタクリに止まる姿は、他の花よりも春の妖精らしい「絵」になります。個体によっては、ゆっくりと吸蜜してくれるので、来年は、是非、絵になる組み合わせで撮りたいと思っております。
こんばんは~。
おー、越後のギフチョウですね。
3桁のギフチョウが飛んでいるとは驚きです。
カタクリ&ギフチョウの撮影は私も憧れますが、残念でしたね。
なかなか難しい組み合わせなのでしょうか。
いずれにせよ、皆綺麗な個体で羨ましいです。
うっすさん、こんばんは。
新潟なのでヒメギフチョウもいるのかと思ったのですが、ギフチョウだけでした。
豊かな里山とは言えないのですが、日本の原風景は残る場所では、ギフチョウが当たり前のように飛んでいました。
来年は、長野の白馬で、通称イエローバンドと言われるギフチョウとカタクリを撮ります!