新潟県十日町市松之山松口に樹齢約80年ほどのブナの木が一面に生い茂っている丘陵がある。昭和初期、木炭にするため、この辺りのブナはすべて伐採され原野となったが、その後、一斉に育ったブナの林は、すらりとした立ち姿が美しいことから「美人林(びじんばやし)」と呼ばれるようになったという。有名な撮影スポットだけに、一度は訪れてみようと思っていた。
2日の20時に自宅を出発し、3日午前0時に駐車場に到着。天候は雨。気温3℃。朝4時半に起床し、傘をさして美人林の中へ。残雪から伸びるブナの木と新緑。根本は「根開き」になっている。「根開き」とは、直射日光を受けて暖められた幹からの放熱と、幹に当たった日光の反射光によって、根元周囲の雪が融けてすり鉢状に窪んだ現象のことである。天気予報から、あえて雨の日を選んだが、期待した霧は発生せず、残念ながら幻想的な美人林を見ることはできなかった。
小一時間ほど撮影して引き揚げたが、以外にも構図やアングルが難しい。自分も含めてだが、大勢のカメラマンが林の中を自由に歩き回るため、人が写らないようにすることと乱雑に生える木々の中からバランスの良い場所を選ぶことが至難の業だ。更には、同日同時刻に写された写真は、おそらく皆同じような雰囲気でオリジナリティに欠けることも悔しい。ただし、この美人林は美しく、素晴らしい自然環境であることに違いはない。
帰路、長さおよそ10kmの関越トンネルを抜けると快晴の青空が広がっていた。
美人林
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE
絞り優先AE F13 5秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2013.05.03 5:07)
美人林
Canon EOS 5D Mark2 / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE
絞り優先AE F13 2.5秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:新潟県十日町市 2013.05.03 5:11)
美人林
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F18 15秒 ISO 100 +1 2/3EV(撮影地:新潟県十日町市 2013.05.03 5:36)
こんにちは。
美人林ですか。聞いたことがありませんでした。
若葉の色が何とも良いですね。
無人の林のように見えますが、ご苦労されたようですね。
こんにちは。
お天気は期待するようにならないことが多いですね。
でも新緑を背景に雪を足元におくブナ林、素敵だと思います。
私も数年前紅葉を見に新潟に行き、
「妻有郷」(紅葉はすでに終わってしまっていたのですが)の
ブナ林で根元に雪が積もっていましたが、
「根開き」になっていませんでした。
「美人林」と呼ばれる場所は一ケ所でしょうか?
私の記憶ちがいからかブログには「美女林」と掲載してしまって
いましたが、「美人林」の間違いですね。
多摩NTの住人様、こんばんは。
残雪と新緑のブナ、この時期ならではの美しさです。遊歩道があって、そこを散策しながら撮影するものと思っていましたら、遊歩道はなく、自由に林内を歩けるものですから、あちこちに人の姿が・・・人が写らないようにするのに一苦労です。
やはり、遊歩道を設置した方が林のためにもよい気がします。
granma様、こんばんは。
美人林は、霧ほ発生を期待して、あえて雨の日を選んで行ったのですが、霧は発生しませんでした。しかし、雨のしっとりとした新緑と、春ならではの「根開き」は美しかったです。
granma様のブログ記事を拝見いたしました。
町村合併以前は、十日町周辺を妻有郷と呼んでいたそうですね。行かれた「妻有郷のブナ林」は、私の行った美人林と同じ所だと思います。