ソレイユの丘は、横須賀市長井地区の小高い丘に広がる「長井海の手公園」の愛称である。「ソレイユ(le soleol)」はフランス語で太陽、ひまわりを意味し、プロヴァンス地方の景観をモチーフに設計された農業体験型総合公園となっている。その一角に、ホタルの発光パターンには地域差(東日本型・西日本型)があることを発見した大場信義氏(横須賀市自然・人文博物館研究員)顧問の「ホタル館」とせせらぎがある。今回、「日本ホタルの会」役員7名で訪れ、大場氏の案内で各施設を見学した。
「ホタル館」には、ホタルに関する多くの資料や飼育水槽等が展示してあり、一見の価値があるが、一番の関心は屋外の「せせらぎ」である。造園業者が設計施工したものを大場氏が手作業で造り変えた「せせらぎ」では、現在、ヘイケボタルが自然発生するまでに至っているという。大場氏は、「自然環境の保全も大切だが、今は、里地・里山の復元を目指したビオトープを多くの地区に創出することが必要だ。」と語る。「地域特性である窒素分の多い地下水や塩害などの問題、これらマイナス要因をプラスへ転じるよう試行錯誤したが、最終的な善し悪しは、人間が判断するのではなく、ホタルが決める。」という言葉が印象的であり、その多大なるご尽力と成果に敬意を表したい。
しかしながら私個人としては、「見晴らしの良い公園の丘にホタル?」という疑問が残る。人工的なビオトープの場合は、ホタルをどこに飛ばすかは人間が決める。ここの場合は、器が先にできて、後から大場氏に「何とかして欲しい」と相談があったという経緯があり仕方ないとも思うが、最終的にホタルが気に入ったとしても、背後には、プロヴァンスの風景ではなく日本の原風景が欲しい。
ソレイユの丘「ホタル館」(神奈川県横須賀市 2012.09.29)
ソレイユの丘「ホタル館」(神奈川県横須賀市 2012.09.29)
ソレイユの丘「ホタルのせせらぎ」(神奈川県横須賀市 2012.09.29)
ソレイユの丘「ホタルのせせらぎ」(神奈川県横須賀市 2012.09.29)
こんにちは。
確かに仰る通り、何となくこの風景にホタルは違和感がありますね。まあホタルが満足して住んでくれれば良いですね。
多摩NTの住人様、こんばんは。
ホタルを見て美しいと思うのは、やはり背後に日本の原風景があるからだと私は思います。
それが情緒であり、文化でもあると思います。
周囲の景観をも含めた生態系という視点からも、違和感を感じてしまいます。
ホタルがたくさん出れば、ホタルが満足しているとするならば、養殖業者の水槽は天国でしょう。