ムモンアカシジミ(Shirozua jonasi)は、シジミチョウ科、ミドリシジミ族、ムモンアカシジミ属に属するゼフィルスである。発生は年1回で、他のゼフィルスと違い7~8月と若干遅い。また、大きな特徴として、幼虫がアリと深い関係を持っている。食樹は、クヌギ・コナラ・ミズナラなどのブナ科で、孵化したばかりの若齢幼虫はこれらの新芽を食べるが、成長すると木の幹や枝でクサアリ類に守られながら、木の葉や、クサアリが守っているアブラムシを食べる半肉食性と言われている。
北海道と本州(中部以北の山岳地帯)の人里近くの雑木林に生息するが、発生場所はかなり局地的で、1~数本の樹に依存しているような場合も多く、また複雑な条件での生息環境が必要なため保全も難しく、各地で絶滅が危惧されている。環境省カテゴリにはないが、撮影した長野県では準絶滅危惧種に、その他、多くの地域で絶滅危惧Ⅰ類にランクされている。
嬬恋村でキベリタテハを撮影したあと、南下して長野県佐久市の里山へ向かった。ムモンアカシジミ生息の確証はないが、いればラッキーという軽い気持ちで道を進んだ。車を止め探索を開始したが、近くに溜池があり、トンボの撮影に没頭。その後、念のために周辺を見る。すると、オレンジ色のチョウが見えた。ムモンアカシジミである。全部で6頭ほど確認できた。
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ムモンアカシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 800(撮影地:長野県佐久市 2012.08.25)
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ムモンアカシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1250(撮影地:長野県佐久市 2012.08.25)
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ムモンアカシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 250(撮影地:長野県佐久市 2012.08.25)
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