ネアカヨシヤンマ(Aeschnophlebia anisoptera)は、ヤンマ科アオヤンマ属のトンボ。アオヤンマ同様に寸胴で、蜘蛛を捉えて食べる。和名は、翅の付け根がオレンジ色であることと、ヨシ原に住むことに由来し、平地や丘陵地のヨシやマコモなどの生えた浅い池沼や湿地に生息しているが、環境悪化や生息環境の減少により全国的に減少しており、環境省カテゴリでは、準絶滅危惧(NT)にランクされ、関東では、準絶滅危惧もしくは絶滅危惧Ⅱ類にランクされている。東京都内にも生息し、飛翔する姿は見られるが、間近で見られるのは1年に1度、あるかないかというほどである。
ネアカヨシヤンマは、 マルタンヤンマ、 ヤブヤンマ、 カトリヤンマなどと同様に黄昏飛翔するヤンマで、昼間は林内の木の枝にぶら下がって休んでいる。撮影するには、生息地である池や湿地の周りの林内に入り、丹念に木の枝を見るしかない。しかし、見つからない。昨年は、東京某所に3回、埼玉県北本市に1回、埼玉県川越市に1回、静岡県磐田市に1回、千葉県館山市に3回訪れたが、影も形もなかった。今年こそはとの意気込みで、アオヤンマが多産する千葉県の池に向かう。ネアカヨシヤンマ生息の確証はないが、虫好きの勘で一か八か向かった。
午後1時。池では、チョウトンボが群れていたが、他にギンヤンマとそれとは違うヤンマも数頭飛んでいる。池の上を飛び回っては、時折、周囲の林の中に入っていく。自分も藪をかき分け、未知なる林内に踏み込む。その途端、見の前を黒い大きなトンボがゆったりと横切り、近くの木の枝に止まった。肉眼で確認すると、まぎれもないネアカヨシヤンマである。私にとって幻のヤンマが目の前にいる。ようやく念願が叶った瞬間である。何と美しい複眼なのだろう。心臓はドキドキ。まずは1枚撮影。見ていると、アオヤンマと同じに翅と体についたクモの糸をもがいて取る行動を見せた。この後、このネアカヨシヤンマは、再び池へと飛び立っていった。
こうなると、次はもっと近くできれいに撮りたくなる。林の中をゆっくりと探索する。すると、池の方から1頭飛び込んできて、今度は目の高さの枝に止まった。近づいても逃げようとしない。チャンスである。心おきなくネアカヨシヤンマを撮影した。この池では、マルタンヤンマやヤブヤンマは見つからず、ネアカヨシヤンマばかりであった。
ネアカヨシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:千葉県 2012.08.04)
ネアカヨシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:千葉県 2012.08.04)
ネアカヨシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:千葉県 2012.08.04)
ネアカヨシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:千葉県 2012.08.04)
ネアカヨシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:千葉県 2012.08.04)
ネアカヨシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/4秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:千葉県 2012.08.04)
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