ハネビロエゾトンボ

| コメント(2)

 ハネビロエゾトンボ(Somatochlora clavata)は、エゾトンボ科のトンボで体長約57mm~ 70mm。同属のタカネトンボが池沼性、 エゾトンボが湿地性に対して、ハネビロエゾトンボは、周囲が樹林に囲まれた非常に薄暗い細流に生息する流水性種である。ハネビロエゾトンボの色合いは、光沢感少なく黒みが強く、体型は太く短い感じであり、尾部付属器や副性器付近にも違いがある。3種の区別は難しいが、掲載の種は、撮影場所が確実な生息地でもあり、ハネビロエゾトンボと同定した。
 環境省カテゴリでは、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に選定され、撮影地の千葉県では絶滅危惧Ⅱ類、及び千葉県レッドデータブックにおいてA(最重要保護生物種)に選定されている。東京都では絶滅危惧Ⅰ類に選定されているが、生息の確認はない。

 午前3時半に出発し、現地に6時到着。黄昏飛翔ヤンマを観察しようと思ったが、早起き出来ずに断念。しかし、撮影は無理だったが、マルタンヤンマのメスが池のあちこちの植物に産卵する様子が見えた。
 池を通り過ぎ、その先の森へ入る。その中を流れる細い流れを覗きこむと、何やら水面上を動くものがいた。しかし、暗くて正体が分からない。目を凝らして見ていると、トンボであることは分かったが、暗いため、すぐに見失ってしまう。しばらくして上流の方を見ると、流れの上でホバリングするトンボを発見。かなり長時間、同じ位置でホバリングしている。ホバリングの様子を写真に撮ったが、距離があったため、かろうじて写っている程度のものであった。その後、近くの枝に止まったので、望遠マクロで撮影。そこから飛び立った後は、流れには戻ってこなかった。かわりに、オニヤンマが流れの上を行ったり来たりしていた。

 館山を10時に引き上げ、次に銚子方面に車を3時間走らせた。そして、ようやく念願の絶滅危惧種に出会うことができた。

IMG_2729.jpg

ホバリングするハネビロエゾトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F13 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:千葉県館山市 2012.08.04)

IMG_2730.jpg

ハネビロエゾトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:千葉県館山市 2012.08.04)

IMG_2731.jpg

ハネビロエゾトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/30秒 ISO 3200(撮影地:千葉県館山市 2012.08.04)

IMG_2732.jpg

ハネビロエゾトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/20秒 ISO 400 -1 2/3EV ストロボ使用(撮影地:千葉県館山市 2012.08.04)

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント(2)

きれいなトンボですね。初めて見ました。
トンボの図鑑ができそうですね。

コメントする

アーカイブ

アイテム

  • IMG_3596.jpg
  • IMG_3595.jpg
  • IMG_3594.jpg
  • IMG_3593.jpg
  • IMG_3592.jpg
  • IMG_3591.jpg
  • IMG_3590.jpg
  • IMG_3589.jpg
  • IMG_3588.jpg
  • IMG_3587.jpg
Creative Commons License
このブログはクリエイティブ・コモンズでライセンスされています。

自然を愛し、自然をたいせつにする写真家です。
自然を愛する写真家
自然を愛する写真家バッジ

にほんブログ村 写真ブログ ネイチャーフォトへ
にほんブログ村

チャレンジ25キャンペーン
チャレンジ25宣言

写真表示

  1. 掲載写真は、クリックしますと全て拡大表示されます。
  2. ただし、HP容量の関係上、古い記事で写真が綺麗でないものは、写真が×マークになっており表示されません。
  3. 写真の著作権は古河義仁に帰属します。詳しくは「写真映像の貸出使用について」をご覧下さい。

写真の理念と昆虫リスト

最近のコメント

  • 購読する(Atom) atom
  • 購読する(RSS 1.0) rss
  • 購読する(RSS 2.0) rss