ミドリシジミの開翅写真をようやく撮ることができた。
充実の福島遠征から帰宅後、ワインを飲みながら、撮影した210枚の写真をPCでチェックしていると、いつの間にか就寝。気が付くと午前4時。PCの作業途中で椅子に座ったまま寝たようだ。これは、よくあることで、最近では、家族も声をかけてくれなくなった・・・雨と聞いていたから休養日にするつもりであったが、ベランダに出ると綺麗な朝焼け。上空の雲にも切れ間がある。ならば行くしかない。向かった先は、埼玉県さいたま市桜区にある秋ヶ瀬公園。何としてもミドリシジミの開翅写真が撮りたい、その一心で車を走らせた。
ミドリシジミ(Neozephyrus japonicus japonicus)は、昨年5日間、今年はすでに4日間にわたって様々なポイントを訪れ撮影したが、発生数が少なく、なかなか見つからない上に、いづれも翅を閉じた写真ばかり。特にミドリシジミの多産地である秋ヶ瀬公園は、昨年は激減し、先週も1頭を目撃したのみの状況だ。昨年は、放射能の影響との噂もあったが、どうやらマニアと業者の乱獲が原因のようだ。ミドリシジミは、1991年に埼玉県の蝶に指定され、秋ヶ瀬公園では採集が禁止されているにも関わらず、網で乱獲するのである。成虫だけでなく、卵や幼虫も採ってしまうから、ひとたまりもない。飼育して羽化させた新鮮な個体をすぐに標本にするためだ。この日も、我々カメラマンから離れた場所で網を隠し持っている輩が何人もいた。
秋ヶ瀬公園に午前5時半着。早速、ポイントに向かう。まだ誰もいない。道を歩いていると、脇の下草から1頭のミドリシジミが飛びだし、別の下草に止まった。ちょろちょろと歩いた後、葉についた水滴を吸っている。しばらくすると、一番上の葉に移動した。遠くから望遠マクロをセットし、ピントを合わせて祈る。「どうか翅を開いてくれ!」
10分くらい経ったであろうか。2枚の翅をすり合わせ始めた。よし、開く。前回は、開いたと思った瞬間に飛んで行ってしまったので、緊張の瞬間である・・・。見事、開翅。飛び立つまでのおよそ2分間、ミドリシジミの輝く翅表を収めることができた。これが、ミドリシジミの魅力である。飛び去るときに、思わず「ありがとう!」と声をかけていた。
この後、別のミドリシジミの開翅も撮影。どちらも翅が擦れてはいたが、これが、自然界で生きているミドリシジミの姿である。しかし、美しさは十分に堪能できる。よく見れば、その輝きは、見る角度によって七変化する。昨日、撮影した方の話では、天気が良いと綺麗には撮れないらしい。本日のような曇りで薄日が差す日の方が、写真写りが良いという。とても幸運な日であった。
このミドリシジミの開翅を皮切りに、7月は、同じく緑に輝く山地性のゼフィルス群に的を絞ってアタックしたい。
ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県さいたま市 2012.07.01)
ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/320秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県さいたま市 2012.07.01)
ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/320秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県さいたま市 2012.07.01)
ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F10 1/320秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県さいたま市 2012.07.01)
ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F7.1 1/250秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県さいたま市 2012.07.01)
ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F7.1 1/160秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県さいたま市 2012.07.01)
ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F7.1 1/250秒 ISO 250(撮影地:埼玉県さいたま市 2012.07.01)
ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/100秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県さいたま市 2012.07.01)
ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/100秒 ISO 320(撮影地:埼玉県さいたま市 2012.07.01)
ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/125秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県さいたま市 2012.07.01)
ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/200秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県さいたま市 2012.07.01)
ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/160秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県さいたま市 2012.07.01)
ミドリシジミ、きれいですね。
私はまだ秋ヶ瀬公園では見たことがありません。
こんばんは。
ミドリシジミの開帳写真成功、おめでとうございます。
秋ヶ瀬でしたか。
今年は秋ヶ瀬もダメだと聞いていましたが、粘れば願いが叶うものですね。
やっぱり綺麗だなー。
今日、行かれたのですね。
私も行けばよかった。
Udagawa氏、こんばんは。
3,4年前までは、至る所ミドリシジミだらけという状況だったのが、昨年は激減し、今年は、タイミングがよければ十数頭くらいは見ることができるようです。
下草で翅を開いて止まっているのは朝6時~7時なので、早起きが必要です。
うっすさん、こんばんは。
今年は、昨年よりは発生数が多いようです。土曜日は、十数頭はいたようで、カメラマンも多かったと聞きました。ただ、写真撮影には、日曜日が最高だったようです。
無駄足と思いながらも、行ってみるものですね。
ミドリシジミの美しさに感動しながら、撮影していました。
こんばんは、しばらくごぶさたしておりました。ヒメ
ギフ撮影の際はお世話になりました。
6月に入って秋ヶ瀬公園には何度か足を運んでいるの
ですが、いつも空振りばかりで。ちゃんといるんだと
いうことが分かって、元気を取り返しました。ありが
とうございました(^^)
椿の茶屋さん、ご無沙汰しております。
秋ヶ瀬は、本当に以前に比べて激減しているようですが、
天候等のタイミングが良ければ、開翅の様子も観察できるようです。
とくかく、採集者を排除しなければ、減少傾向は止まらないと思います。
法律で縛らなければ、いけないでしょうね。