アオハダトンボ(Calopteryx japonica)は、オスの翅が青藍色に輝く美しいカワトンボの仲間である。丘陵地から平地の河川中流域でバイカモなどが生える清流に生息するが、水質や周囲の環境に敏感で、悪化とともにその数は激減している。東京都あきる野市の多摩川水系にも生息しているが、局所的であり、東京都では絶滅危惧ⅠB類にランクされている。
同じアオハダトンボ属のハグロトンボと同所に生息することも多い。アオハダトンボのメスは、翅の縁に白色の偽縁紋があるので区別できるが、オスは少し幅広の翅の形以外は酷似している。同属にもう1種ミヤマカワトンボがいるが、大きさと翅全体が褐色透明で後翅先端の方に濃い褐色帯があることで区別は容易である。
今回、群馬県前橋市でアオハダトンボを撮影した。川岸に近づくと、すぐに流れの上に覆いかぶさる草の上に止まるオスを見つけた。梅雨の合間の「五月晴れ」に輝く青藍色の翅とメタリックな腹部が何とも美しい。しばらくすると、下流からメスが川面すれすれに飛んできて、交尾、産卵に至った。アオハダトンボのメスは、流れの中の植物の茎に産卵する際、しばしば水中に潜るが、今回はその様子は観察できなかった。一方、オスは産卵するメスの近くで見守るようにしていた。
アオハダトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 500(撮影地:群馬県前橋市 2012.06.24)
アオハダトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 500(撮影地:群馬県前橋市 2012.06.24)
アオハダトンボ(メスに近づくオス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 200(撮影地:群馬県前橋市 2012.06.24)
アオハダトンボの交尾
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 250(撮影地:群馬県前橋市 2012.06.24)
アオハダトンボの交尾
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500(撮影地:群馬県前橋市 2012.06.24)
卵するアオハダトンボのメス
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(撮影地:群馬県前橋市 2012.06.24)
卵するアオハダトンボのメス
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 800(撮影地:群馬県前橋市 2012.06.24)
参考:ハグロトンボ(アオハダトンボ属)
ハグロトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F2.8 1/250秒 ISO 1600(撮影地:山梨県北杜市 2010.07.24)
参考:ミヤマカワトンボ(アオハダトンボ属)
ミヤマカワトンボ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 200(撮影地:東京都あきる野市 2012.05.20)
ミヤマカワトンボ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 250(撮影地:東京都あきる野市 2012.05.20)
こんにちは。
アオハダという樹がありますが、アオハダトンボというトンボがいるんですね。とても綺麗な青ですね。
多摩NTの住人様、こんばんは。
翅が黒くて、体が青緑に光るトンボを見ると、ワクワクしてしまいます。
多摩川には、そっくりのハグロトンボがいるのですが、
アオハダトンボは、デリケートで水質の悪化ですぐにいなくなってしまいます。
こんなトンボがたくさん棲める環境を取り戻したいですね。