フジキオビという珍しい蛾を撮影した山梨県甲州市の渓流。訪れた本来の目的は、ミヤマカラスアゲハの春型を撮影することである。ミヤマカラスアゲハの夏型は撮影しているが、夏型よりも美しい春型を是非見てみたかった。
林道入口に車を止め、徒歩で林道を進む。5月下旬なのにコツバメが多い。翅が傷んでいる個体ばかりだが、元気一杯に飛んでいた。スギタニルリシジミもいる・・・2種ともスプリング・エフェメラルだ。ミヤマカラスアゲハの時期ではないのだろうか。全然、姿を見ない。林道を4km歩いた所で、ようやく1頭のミヤマカラスアゲハの春型が飛んできた。湧水が浸み出た所に降りて吸水するも、すぐに飛び立ってしまい、写真に撮ることはできなかった。ここで仕方なく断念し、来た道を戻る。結局、8km歩いて1頭見ただけであった。
時期が早かったかと諦め、車を発進させる。ふと車窓から谷底を眺めると、ミヤマカラスアゲハが飛んでいた。車から降りて確認すると、5~6数頭がヒラヒラと飛んでいるではないか。しかし、そこは10mはあるだろう谷の底。降りる道を探すが見当たらない。でも、最大のチャンスだ。意を決して急斜面を下りる。幸い、無事に降りることができた。
渓流の川岸にある小さな砂地。そこにミヤマカラスアゲハの春型が止まって吸水していた。こうして吸水するのは、すべてオスである。当初5~6数頭いたが、崖を下る間に数が減ってしまい2頭だけ。しかし、何と美しいチョウなのだろうか。特に、大きく広げた翅表に日光が当たった時の煌めきは、日本に生息するチョウの中でも屈指の美しさであると思う。もう1~2週間もすれば、ミヤマカラスアゲハの春型が何頭も集まる集団吸水の様子も見られるかもしれない。天候が良ければ、その頃にもう1回、チャレンジしたい。
ミヤマカラスアゲハが飛ぶ渓流
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F29 0.6秒 ISO 200(撮影地:山梨県甲州市 2012.5.27)
ミヤマカラスアゲハ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 320(撮影地:山梨県甲州市 2012.5.27)
ミヤマカラスアゲハ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 640 +1EV(撮影地:山梨県甲州市 2012.5.27)
ミヤマカラスアゲハ(春型)とオナガアゲハ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 640 +1EV(撮影地:山梨県甲州市 2012.5.27)
ミヤマカラスアゲハ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1600 +1EV(撮影地:山梨県甲州市 2012.5.27)
こんばんは~。
おー、やっぱり美しいですねぇ。
ここまでの道のりはとても危険な場所でしたが、
意を決しての撮影、無事に実りましたね。
この輝きはなんと形容していいのか、分かりません。
私も間近で見たかったです。
数が減ってしまったのは残念でしたが、この地ではまだこれからのようなので、チャンスはまだまだ有るでしょうね。
こんにちは。
とても綺麗なアゲハですね。
見たことがありませんので美しさにうっとりです。
撮影にはご苦労も多いんでしょうね。
渓谷を下るときは十分お気をつけ下さいね。
先日、撮影のために40センチほどの石段にヒョイと登ろうとし、足を踏み外し、膝を強打してしばらくの間、ランニング練習ができないことがありました。ホタルさんは私よりお若いのでまだまだ大丈夫でしょうが、油断大敵です。
うっすさん、こんばんは。
危険な場所ではありましたが、恐怖は感じませんでした。
天候にもよりますが、もう一度、10頭くらいが集まるのを期待して行きたいと思います。
多摩NTの住人様、こんばんは。
虫を追いかけると夢中で・・・
油断大敵ですよね。以前は、トンボを追いかけて渓流で転倒し、カメラをかばって肘を強打し、一週間腫れたこともあります。また、ホタルになると、夜間で、しかもライトが禁物なので、更に怪我が多くなります。気をつけるよりも、成果が大切になってしまいます。
でも、無理はしないようにしたいと思います。