10月最後の週末は、最高の秋晴れ。紅葉の写真を撮りに行こうと思っていたが、前日、居酒屋で飲みすぎたため深夜からのドライブを断念。紅葉は11月3日に延期し、急遽静岡へ。何度も出会っていながら、それらしい写真が撮影できていなかったカトリヤンマを撮るためである。カトリヤンマは都内近郊でも見られるが、確実な生息地で、今年最後のチャンスに賭けてみることにした。
熟睡後、自宅を8時に出発。カトリヤンマが現れるのは午後になってからなので十分な時刻かと思ったが、渋滞、また渋滞。いつも、どこへ行くにも深夜に出発するから、この渋滞は精神的に耐えがたいものだ。何とか正午に到着。早速、湿地に行ってみた。
12時半。1頭のカトリヤンマのオスが飛んできた。ハンノキの林内を低空であちこち飛び回り、リスアカネを追い払っては地上から50cmくらいの高さの枝に静止するという行動を繰り返す。「蚊取り」ではあるが、アオイトトンボを捕食する光景もあった。
1時間ほど経過すると、今度は湿地の上で縄張り飛翔を始めた。サラサヤンマ同様に、同じ場所で10秒以上も静止飛翔(ホバリング)するのが特徴だ。私の周囲で、そして目の前で何度もホバリングし、時折、何頭も飛んでくる他のカトリヤンマのオスとバトルを展開していた。
カトリヤンマ(縄張り飛翔)
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F5.6 1/100秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:静岡県磐田市 2011.10.29)
カトリヤンマ(縄張り飛翔)
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 1000(撮影地:静岡県磐田市 2011.10.29)
カトリヤンマ(縄張り飛翔)
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200(撮影地:静岡県磐田市 2011.10.29)
ハンノキで休むカトリヤンマ
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F5.6 1/200秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:静岡県磐田市 2011.10.29)
30分ほど縄張り飛翔をすると、木の枝に止まって動かなくなった。この絵を撮らねば帰れない。スリムな体にくびれた腰。緑と水色の複眼が美しい。 15時くらいになればメスが産卵に訪れると思われたが、それを待たずに気持ちよく引き上げることにした。
カトリヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F5.6 1/200秒 ISO 400 -2/3EV ストロボ使用(撮影地:静岡県磐田市 2011.10.29)
カトリヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F5.6 1/40秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:静岡県磐田市 2011.10.29)
カトリヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F6.3 1/50秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:静岡県磐田市 2011.10.29)
カトリヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F3.5 1/250秒 ISO 200 ストロボ使用(撮影地:静岡県磐田市 2011.10.29)
カトリヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F3.5 1/250秒 ISO 200 ストロボ使用(撮影地:静岡県磐田市 2011.10.29)
撮影した小さな湿地は、カトリヤンマの多産地で、8月中旬~下旬頃に100頭以上が羽化をする。その後、湿地を離れて1ヶ月~2ヶ月ほどは樹林内で生活をし、初秋に成熟して、水の引いた乾いた湿地に戻ってくる。これまで、数十時間かけても撮れなかったカットを僅か2時間で撮り終えてしまった。(現場までの往復には8時間要しているが・・・)撮影には、生態を知りつくすことが大切だ。
カトリヤンマは、本来は水田を生息場所とし、稲作のサイクルに合わせた生態ゆえに、農薬使用や水田の放棄により、激減しており、東京都では絶滅危惧ⅠA類にランクされるほどである。ホタル同様に、里山の象徴であるカトリヤンマがたくさん飛び交う環境を取り戻したいものである。
こんばんは~。
最後の最後で、飛翔と静止の撮影ができたようですね。
満足の行く撮影ができてよかったですね^^
飛翔のジャスピンもお見事という以外言葉が浮かびませんが、
静止画の美しいこと。
6,7枚目のお写真、これはパネルにして飾っておきたい位です。
うっすさん、こんばんは。
見つからないのならまだしも、いるのに撮れていないのは悔いが残ります。
一か八かの賭けでしたが、往復8時間かけた甲斐がありました。
飛翔は、なかなか真横を向いてくてないので時間を要しました。
静止は、ここぞとばかり解像度の優れたレンズに変えて撮らせていただきました。
単なる自己満足で、図鑑的ではありますが、
これぞカトリヤンマという写真が撮れて満足しております。