マダラナニワトンボ(Sympetrum maculatum)は、トンボ科アカネ属だが、写真のように黒色をしている。日本には、成熟しても赤くならないアカネ属が3種類いる。ナニワトンボ、ムツアカネ、マダラナニワトンボである。ナニワトンボは西日本に分布し、成熟するとオスが粉を吹いてシオカラトンボのように青くなる。長野県で撮影した ムツアカネと今回撮影したマダラナニワトンボは黒くなる。
マダラナニワトンボは、浮島が見られるようなミズゴケ湿原や周囲に松の疎林がある禾本科の植物が生えている池などに生息するが、 2002年現在、秋田県、山形県、福島県、新潟県、岐阜県、愛知県、兵庫県で確認されているだけであり、生息地は極めて局所的である。環境省カテゴリでは、絶滅危惧ⅠB類(EN)にランクされている。
体長は、35mmほどでアカネ属最小のヒメアカネとほぼ同じだが、細いのでヒメアカネよりも小さく見える。普段は、池の周囲の林内で生活し、午前11時頃になると池に集まり、14時頃まで繁殖行動をする。
福島県での生息は4か所で確認されており、今回その1か所に行ってきた。朝から池や湿地を探したが見つからず、待機すること4時間。気温が15℃になった午前11時過ぎに、ようやく撮影することができた。(今年、3回訪れているが、前回、前々回は、午前9時前に引き上げてしまったので撮影できなかった。)この場所は、昨年に生息が確認された。1.5キロほど離れた生息地から移動してきて定着したものと考えられている。環境の悪化や破壊により減少している絶滅危惧種も、生息環境と条件が合えば、トンボなどの移動能力の高いものは、自ら生息地を増やしていけるのである。
マダラナニワトンボ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F4.5 1/1600秒 ISO 200 -2/3EV(撮影地:福島県会津若松市 2011.10.08)
マダラナニワトンボ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.0 1/500秒 ISO 200(撮影地:福島県会津若松市 2011.10.08)
マダラナニワトンボ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F4.5 1/1000秒 ISO 200 -2/3EV(撮影地:福島県会津若松市 2011.10.08)
マダラナニワトンボ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.0 1/500秒 ISO 200(撮影地:福島県会津若松市 2011.10.08)
マダラナニワトンボ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.0 1/500秒 ISO 200(撮影地:福島県会津若松市 2011.10.08)
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