カトリヤンマ(Gynacantha japonica)は、低地や低山地の水田に生息している。日中は、水田近くの暗い藪や林中で木の枝などにぶらさがっており、夕方頃、活発に活動する。8月中旬頃から10月下旬頃まで見られる「秋のヤンマ」である。東京都内の雑木林と水田のある公園でも確認されているが生息環境の悪化と減少により、環境省では絶滅危惧ⅠB類に、東京都では絶滅危惧Ⅱ類にランクされている。撮影した静岡県磐田市の小さな湿地では、毎日、二桁の新しいヤゴの抜け殻が見つかると言うが、未熟な間は水辺を離れて樹林内で過ごすから、見つけるのは簡単ではない。
カトリヤンマは、昨年撮ることが出来なかったので1年待っての再挑戦であり、35年ぶりの再会でもある。たいへん小さなヤンマでシオカラトンボくらいしかない。成熟すると複眼が青くなり美しいが、今回出会ったのカトリヤンマは、未成熟でまだ複眼が色づいていない個体である。水辺から、かなり離れてた尾根から少し下った暗い林道で、偶然、私の前に突然飛び出した。かなり敏感で、枝に止まっては、すぐに飛び立つ。ちょっと目を離した隙にどこかへ行ってしまったので、撮影できたのは1枚だけ。しかし、これからが時期であるから、また探して撮りたいと思う。
カトリヤンマ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F4.5 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:静岡県磐田市 2011.8.27)
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