埼玉県さいたま市桜区にある秋ヶ瀬公園は、広大な自然公園で、一角には池沼と湿地が広がりハンノキが生い茂っている。このハンノキ林には、埼玉県のチョウに指定されているミドリシジミが生息していることで有名であり、勿論、ミドリシジミ目当てで初めて訪れた。
ハンノキ林は公園の一角と言っても、これも広い。そして至る所が湿地であり、長靴でなければ歩くことはできないくらいである。2時間ほどうろうろしながらミドリシジミを探したが、見つけたのは1頭だけ。しかもハンノキの高さ3mくらいの場所で翅を閉じたままじっとしていた。ミドリシジミ狙いのカメラマンは15人ほどいたが、皆、不満足そう。何人かの話によれば、今年は少ないと言う。羽化が遅れているようだ。
ミドリシジミがいないのならば、トンボである。これだけ池沼と湿地があるのならばトンボは多いはず。すぐさまハンノキ林の中で、 モノサシトンボを見つけた。昨年、埼玉県比企郡にて十分に撮らせていただいたので、 1カットで終了。次に、池を覗いて見る。何やら大きなトンボが池の上を飛んでいる。ヤンマか?近くを通り過ぎると、オオヤマトンボであった。
オオヤマトンボ(Epophthalmia elegans)は、エゾトンボ科であるがヤンマくらいの大きさがある。濃い緑色の金属光沢のある胸(エゾトンボ科の特徴)に黄色いスジの美しいトンボである。エゾトンボは、高冷地にいるイメージがあるが、オオヤマトンボは低地や丘陵地の開けた池沼に生息し、成熟した雄は、池沼の周縁に沿ってパトロールする。5~6頭飛んでいるのだが、なかなか写真には撮れない。目の前を悠々と行き過ぎていく。こうなると格闘である。タムロンのレンズはAFが極端に遅いため、マニュアルでピントを合わせるが、場所が悪い。左右に草が生い茂っていて、肉眼での視野が狭く撮影可能範囲は2mしかない。右、或いは左からパッと現れたオオヤマトンボに急いでピントを合わせシャッターを切るが、ピントが合う前に視野から外れる。1時間くらい戦った末、撮れたのはお粗末な写真ばかり。オオヤマトンボは、皆ハンノキ林へ消えていってしまった。
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ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/320秒 ISO 200 (撮影地:埼玉県さいたま市 2011.6.19)
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モノサシトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 2500 (撮影地:埼玉県さいたま市 2011.6.19)
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オオヤマトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 2000 (撮影地:埼玉県さいたま市 2011.6.19)
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オオヤマトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 1600 (撮影地:埼玉県さいたま市 2011.6.19)
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オオヤマトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 2000 (撮影地:埼玉県さいたま市 2011.6.19)
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オオヤマトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1600 (撮影地:埼玉県さいたま市 2011.6.19)
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こんばんは~。
秋ヶ瀬に行かれたのですね。
冬場、レンジャクでお世話になりました。
秋ヶ瀬も生き物の宝庫だと分かっているのですが、
電車とバスだといまいち行きづらくて、足が遠のいてしまいます。
たくさんの人が集まるので、人だかりがあればなんかいるって分かるので、
そういう面では助かります(笑)
オオヤマトンボがいるんですねー。
ヤンマとかサナエトンボは止まっていても同定が難しいのに、
飛んでいるだけで分かるなんて、さすが目が越えていますね。
流し撮りでしょうか?
マニュアルでここまでピン合わせができるなんて、さすがです。
オオヤマトンボは、今年撮りたいと思っていたトンボで、前もって勉強しておりましたので、見てすぐにオオヤマトンボと分かりました。そうでなければ、撮ってからあれこれ悩むところです。
しかし、マニュアルフォーカスの流し撮りは、まともに撮れません。特に、びゅんびゅんとんでいるトンボは。「下手な鉄砲も数撃ち当たる」と言いますが、いくら撃っても当たらないです。照準に合わせるだけでなく、ピントも合わせないといけないのですから・・・
ここまで来ると半分ゲーム感覚ですね。フィルムなら絶対に撮りません。でも、チャンスがあれば、もっと良い写真を撮るよう再チャレンジします。