ベッコウトンボを見に静岡県磐田市にある桶ケ谷沼に行ってきた。ベッコウトンボ(Libellula angelina)は、未成熟な成虫は黄褐色で、翅の黒褐色斑と併せた外観が鼈甲(ベッコウ)を思わせることが和名の由来である。成熟すると雄は一様な黒色になる。生息環境は、繁殖にはヨシやガマなどの挺水植物が繁茂している池沼や湿地だが、池沼の減少と環境の悪化によりその数は激減しており、現在の確実な生息地は静岡県・兵庫県・山口県と九州に点在するのみである。環境省のレッドデータブックでは「絶滅危惧I類(CR+EN)」に指定されており、また更に国内希少野生動植物種(種の保存法)にも指定されており、捕獲が原則として禁止されている。
静岡県磐田市にある桶ケ谷沼は、本州で最東端のベッコウトンボ生息地であり、国内では唯一の安定した多産地といわれている。(トンボの生息種数は68種類、県内のトンボの2/3、国内の1/3の種類が確認されている。)桶ケ谷沼とその周辺約50.5ha(およそ東京ドーム10個分)は、県の条例に基づき自然環境保全地域に指定され、さらに地域内の11.4haが特別地区(野生動植物保護地区)に指定されており、ベッコウトンボをはじめとする多くの貴重な動植物が守られている。
当初なかなかベッコウトンボを見ることができなかった。桶ケ谷沼と1つ山を隔てた鶴ケ池を一周したり、行ったり来たりしながら探索。3時間半後、ようやく鶴ケ池でベッコウトンボを発見。未成熟のためか飛んでもたいへんゆっくりで、すぐに草木に止まる。運良く、目の前の草地に何度も止まってくれたので、奇麗な鼈甲色をした姿を収めることができた。
桶ケ谷沼
鶴ケ池
ベッコウトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500(撮影地:静岡県磐田市 2011.5.3)
ベッコウトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 800(撮影地:静岡県磐田市 2011.5.3)
ベッコウトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1000(撮影地:静岡県磐田市 2011.5.3)
ベッコウトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 200(撮影地:静岡県磐田市 2011.5.3)
本日の走行距離は、498km。駒つなぎの桜の時よりも距離は短いが、時間は倍以上かかってしまった。自宅を午前0時半に出発し東名高速を走るが、夜中の2時にも関わらず60kmの大渋滞。どのパーキングも渋滞で入れず、ようやく高速出口の手前のPAで小休止。現地に6時半到着。ベッコウトンボ撮影後、11時半に出発。しかし東名高速上りも60kmの大渋滞。次は御殿場で降りて山中湖経緯で河口湖方面へ。夕方からヒメボタルの幼虫観察の予定だったが、山中湖までの一般道も大渋滞。2日は仕事で4時起床。仕事から帰ってきたのが22時であったため、どこかで仮眠をとる予定だったが、渋滞で時間がかかり仮眠もできず、この時すでに不眠36時間。挙句の果てに山中湖からは、土砂降りの雨。ヒメボタルの幼虫観察は諦め、そのまま中央道で帰路についた。中央道の渋滞は10kmほどで済んだが、GWはトンボ1匹撮るにも時間がかかる。
こんばんは~。
一日の走行距離498kmですか!
ホタルさんの行動力に驚かされるばかりです。
不眠不休での移動、お疲れさまでした。
3時間半もの探索で、見つけられたとのこと。
努力が実ってよかったです。
そして、その努力のお陰でこうして珍しい姿を見せていただけているのですね。
ありがとうございます^^
昆虫写真も最後は体力ですね(笑)
うっすさん、こんばんは。昆虫も風景写真も、1に事前準備、2に体力、3に時の運、4に気力です。いつどの場所へ行ってどのように撮るのかを準備しても、天候や気温などに見放されて運がない昨今ですが、ベッコウトンボは撮影できてほっとしています。これでいなかったら立ち直れませんでした。