ホソオチョウ(Sericinus montela)はアゲハチョウ科(Papilionidae)/ウスバアゲハ亜科(Parnassiinae)/タイスアゲハ族(Zerynthiini)/ホソオチョウ属(Sericinus)に属するチョウだが、原産地はアジア大陸東部である。人為的な放蝶によって1978年に東京で確認されて以来、分布域は拡大し、現在では日本の数か所に定着している要注意外来生物(環境省)である。食草はウマノスズクサで在来種のジャコウアゲハと同じ。ホソオチョウは、飛翔力の乏しい種類で低い所をふわふわと飛ぶ。特にメスは食草ウマノスズクサの群落からあまり離れることがない。このような種が各地に分布を拡大している背景には意図的な放蝶行為が繰り返されていることが示唆される。
埼玉県所沢市の発生地に行ってみると、数頭のホソオチョウが弱々しく飛んでおり、珍しさゆえに1匹のホソオチョウに5~6人のカメラマンが群がっていた。ホソオチョウは、ジャコウアゲハを絶滅させるほどの繁殖力はなさそうで、アカボシゴマダラのように爆発的に増殖することなないと考えられ、生態系に与える影響も、今のところ心配することはなさそうだが、本来は、ここにいてはならないチョウだ。温室ならともかく、里山に外来生種を放蝶することは許されない。ホソオチョウに罪はないが、在来種に影響のない方法で駆除するべきだろう。
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ホソオチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F8.0 1/800秒 ISO 400(撮影地:埼玉県所沢市 2011.4.24)
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ホソオチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F8.0 1/1250秒 ISO 400(撮影地:埼玉県所沢市 2011.4.24)
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ホソオチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 400(撮影地:埼玉県所沢市 2011.4.24)
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ホソオチョウの幼虫
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F8.0 1/200秒 ISO 200(撮影地:埼玉県所沢市 2010.10.10)
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ジャコウアゲハの幼虫
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 1250 +1EV(撮影地:埼玉県所沢市 2010.10.10)
こんばんは~。
ほう、これがホソオチョウですか。
後翅から伸びた尾状突起がネーミングの由来なんですね。
名前は聞いたことありますが、実際に見たことがありません。
狭山丘陵で繁殖していると聞いたことがありますが、
狭山って言っても広いですよねぇ・・・
招かざる種だとは分かっていても、実際に見てみたいものです(^_^;)
ホソオチョウは、狭山丘陵では毎年発生しており、すっかり定着しているようです。繁殖の範囲は狭くても、定着しているということは、環境適応力にすぐれているとも言えますので、更なる人為的拡大が危惧されるところです。