下の写真は、ゲンジボタルの幼虫とカワニナを食べるゲンジボタルの幼虫の様子を、水中から撮影したものである。まだ完璧な撮影方法、撮影技術とは言い難く、試行錯誤の連続であるが、生態学的には有意義な写真が撮れたと思う。
ゲンジボタルの幼虫(水中から撮影)
Canon EOS 7D / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE
絞り優先AE F20 1/20秒 ISO 2500 +2/3EV(撮影地:千葉県勝浦市 2011.3.19)
カワニナを食べるゲンジボタルの幼虫(水中から撮影)
Canon EOS 7D / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE
絞り優先AE F20 1/20秒 ISO 3200 +2/3EV(撮影地:千葉県勝浦市 2011.3.19)
この場所には、カワニナの生息数がかなり多い。写真は、およそ20cm×20cmの範囲だが、この中に100を超えるカワニナが群生している。こうした状態が、川岸の至る所で見受けられる。
カワニナ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F9.0 1/125秒 ISO 2000(撮影地:千葉県勝浦市 2011.3.19)
この場所はたいへん特殊で、川岸から小川を覗くだけで、すぐに多くのゲンジボタルの幼虫を見つけることができる。ゲンジボタルの幼虫は背光的であるために日中は、石の下に隠れている。食餌であるカワニナを食べる時でも、自信は石の下に隠れるようにしており、上から覗いただけでは、まずゲンジボタルの幼虫を見ることはない。
なぜ、ここの幼虫は石の下に隠れないのか?答えは、隠れ場所となる石が一部にしかないからである。夷隅川、養老川をはじめとする房総半島の大小の自然河川を見ると、その河床は一枚岩のようになっており、丸い石はほとんどない。これは、房総丘陸が柔らかい砂岩泥岩互層でできているため平滑な河床構造になるからである。そして、浸食によって削られた泥岩が淵などの一部に折り重なっているのである。
ゲンジボタルの幼虫は、通常は浸食によって削られた泥岩の下に隠れているが、カワニナは、淵よりも川岸近くの多く分布しているので、カワニナを食べる時は、川岸近くの平滑な河床部分で、身を隠さずに食べることになるのである。(こうした生息地では、台風や集中豪雨などの増水時に、ゲンジボタルの幼虫とカワニナは流されることが危惧される。)
カワニナを食べるゲンジボタルの幼虫(水上から撮影)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F9.0 1/125秒 ISO 3200 +1/3EV(撮影地:千葉県勝浦市 2011.3.19)
カワニナを食べるゲンジボタルの幼虫(水上から撮影)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F9.0 1/160秒 ISO 2000(撮影地:千葉県勝浦市 2011.3.19)
この場所でのゲンジボタルの成虫の写真は、こちら。ゲンジボタル(勝浦)
こんばんは^^
おぉ、これがゲンジボタルの幼虫ですか。
きれいな水にしか住んでいないと聞きますが、
さすが澄んだ水ですね。
ホタルの姿って、一度だけしか見たことないのです。
乱舞している姿はさぞ美しいことでしょう。
一度見てみたいものです。
ホタルの幼虫は、成虫のイメージからは想像できないほど、かなりグロテスクな感じです。来月には、この幼虫は蛹になるために光りながら上陸します。6月になりましたら、御誘い申し上げます。
とてもすばらしい写真ですね。
もうすぐ上陸するから昼間でもカワニナを食べているのでしょうか。
幼虫の大きさから終齢のようです。あちこちで食べている様子が見られました。もっと、遠景と入れて陸上の様子が分かる写真を撮りたかったのですが、場所的にこれが精一杯でした。つらい姿勢で、体中、がたがたです。家に帰ってから気がつきましたが、動画を忘れていました。今度は、上陸時に行きたいと思います。