ナガサキアゲハ(Papilio memnon)の分布域は、本来、近畿以南から南西諸島までだが、近年、徐々に分布域が北上している。写真は、東京都葛飾区の水元公園で撮影したもので、この公園では、ナガサキアゲハがたくさん飛んでいる。茨城県南西部では2007年に、栃木県南部や福島県いわき市でも2009年に生息が確認されている。これは温暖化が原因で、本種は温暖化の指標種として注目されている。
写真はメスであるが、ナガサキアゲハでは珍しく性的二形が顕著である。翅のつけ根に赤の斑点があるのは雌雄共通だが、オスの翅はほぼ全体が黒く、後翅の外縁にわずかに赤い斑点がある。一方、メスは写真のように後翅の中央部に白の細長い斑点が数個外向きに並び、その外縁には赤の環状紋が並んでいる。
ナガサキアゲハ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F2.8 1/1600秒 ISO 200(撮影地:東京都葛飾区 2010.08.21)
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