カタクリ( Erythronium japonicum Decne.)は、ユリ科カタクリ属に属する多年草。日光の差す落葉広葉樹林の林床に群生し、早春の3~4月のみ地上部を展開し、5月上旬頃には葉や茎は枯れてしまう、いわゆる「スプリング・エフェメラル」の一つである。これまで、「スプリング・エフェメラル」を撮影してきたが、いよいよカタクリで締めることになる。
カタクリは、かつて里山の雑木林に普通に見られた花であるが、里山の放棄・放置により人々が管理を行わなくなった里山では、間伐や下草刈りがされない。すると植生遷移が進み林床に日が当たらなくなる。その結果、カタクリを始めとする「スプリング・エフェメラル」は絶滅してしまうのである。絶滅の原因は、開発や乱獲や盗掘も挙げられる。昨今では、人工的に栽培したものを雑木林に定着させる試みがされていたり、減少してしまった生育地をボランティアによって蘇らせている所もある。
今回、訪れた場所もその1つ。東京都あきる野市にある里山だが、地主さんとボランティアの人々によって保全されており、一時減ってしまったカタクリが、今では群生するまでに回復している。午前9時に到着した時、日陰のカタクリは花が開いていなかったが、日当たりのよい場所ではカタクリ特有の姿が一面に広がっていた。かなりの群生であるが、実はカタクリの種子にはアリが好むエライオソームという物質が付いており、アリに拾われることによって生育域を広げると言われている。
カタクリを撮るのも、この場所を訪れるのも今回が初めてで、また三脚もPLフィルターも持っていかなかったので、結果として、あまり良い写真を撮ることができなかった。昆虫は手持ち撮影が基本だが、今後は、花も風景同様にカメラを三脚に据えて撮ろうと思う。
Canon EOS 5D MarkⅡ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE
絞り優先AE F1.4 1/400秒 ISO 100(撮影地:東京都あきる野市 2010.03.22)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F5.0 1/1000秒 ISO 200 (撮影地:東京都あきる野市 2010.03.22)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F2.8 1/200秒 ISO 200 (撮影地:東京都あきる野市 2010.03.22)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F2.8 1/250秒 ISO 200 (撮影地:東京都あきる野市 2010.03.22)
カタクリの花がこんなに沢山咲いている所があきる野市に
あるのですね。
数年前に相模原市の城山かたくりの里に行って撮ったことが
あるのですが今年はまだカタクリの花をまだ間近かで
撮っていないので又撮りに行きたいと思っています。
沢山のカタクリが陽射しを浴びてとても綺麗ですね。
マクロで撮る時はやはり三脚を使うべきと思うのですが
写真を撮らない主人と歩くのでついついさっさと
手持ちで花を撮るのでいつもピンボケです。
短めの簡易三脚を持ち歩こうかと思っています。
granma様、こんにちは。被写体が動かない場合は、やはり三脚を使って正確にピントを合わせて、スローシャッターならばミラーアップをしてレリーズでシャッターを切る。特にデジタルで画素数の高いものは、ここまでしないと何となくあまい写真になってしまいがちのようです。花に止まったチョウにそっと近づいて写真を撮る時は、三脚など使っている余裕はありませんが、今後このような場合は、一脚を使おうと思います。一脚は、杖代わりにもなって便利です。