ホタルが生息する渓流沿いを散策していると、土手に梅林があった。地面には「フキノトウ」がたくさん出ていて、天ぷらにしたら美味しいだろうという思いで写真を撮っていると、一風変わった花が目に留まった。蕾なのだろうか、淡いピンクや白い色をしたまだ開かぬ花が、梅の木の根本付近に5株ほど生えている。
家に帰ってから調べてみると、どうやらこれがアズマイチゲらしい。アズマイチゲ(東一華、学名:Anemone raddeana)は、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。「東」は関東を意味し、「一華」はイチリンソウ属を意味する。花が茎の先に1個だけつくので、一輪草。つまり関東産のイチリンソウという意味だ。春先に花を咲かせ、落葉広葉樹林の若葉が広がる頃には地上部は枯れてなくなり、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごすスプリング・エフェメラルの一種で、先般、紹介したユキワリイチゲの仲間である。茎の先に白い花を咲かせるが、曇りや雨の日、あるいは晴れていても気温が低い時間には花は開かないらしい。裏面は淡い紅紫色を帯びているので、別名「うらべにいちげ(裏紅一華)」とも呼ばれるそうである。
今度は、天気の良い暖かい日に訪れてみよう。きっと土手に白い彩りを添えているに違いない。
Canon EOS 5D Mark II / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F4.0 1/100秒 ISO 400(撮影地:東京都青梅市 2010.02.28)
早春の今頃、一華(イチゲ)類が咲く時期なのですね。
先日、神代植物園でキクザキイチゲを見ましたが、
今年はまだアズマイチゲを見ていません。
秩父の両神で節分草の群生を見に行った時に
蕾だったアズマイチゲがあってとても可愛いと思いました。
「裏紅一華」という呼び方を初めて知りました。
素敵な別名を教えて頂きありがとうございました。
granma様、こんにちは。
早春植物たちを見ると、豊かな自然の営みというものを感じます。この可憐な花が終わると一気に春本番となり、里山は萌葱色へと変わります。そして今度は華やかな花たちが咲き誇るのでしょうね。
秩父の両神には、ぜひ一度訪れたいと思っておりましたが、今年はチャンスを逃しそうです。ただ、この花が見たい、その風景を撮りたいというものが目白押しですので、東京都内の里山で追いかけたいと思います。